家を高い値段で売るためには、仲介業者の選び方、適切な価格設定この2つがとても重要。詳しくアドバイスいたします。

家を売却する予定の方へ

このサイトでは、これから初めて家を売る人のために、家を売るまでのおおまかなスケジュールや、特に気をつけておきたいポイントなどを解説しています。

不動産業界で長く働いていた経験から、そのときに得た知識や実体験などをもとに書いています。できる限り難しい専門用語は使わずに、わかりやすく解説しますので、家を売る際の入門的サイトとしてご活用下さい。

特に、「家を最大限高く売る」という点について、重要なポイントを詳しく解説しています。後悔のない不動産売却ができるように、このサイトを参考にして売却を進めていきましょう。

家を売る流れは状況によって違う

売却の相談~物件の引渡しまでの期間は、平均でも4ヶ月~6ヶ月ほど掛かります。まずは家を売るときの流れを把握しましょう。

  • 複数の業者へ売却の相談&査定
  • 仲介業者の決定(媒介契約を結ぶ)
  • 販売価格を決める(売り出し価格)
  • 購入希望者の内覧を行う
  • 買付け証明書の発行
  • 買主との価格交渉
  • 売買契約の締結
  • 新居への引っ越し
  • 物件の引き渡し・残金決済

この流れの中で特に注目しておきたいポイントは、以下の3項目です。

  • 査定の依頼と仲介業者の決定
  • 販売価格の決定
  • 内覧(物件案内)

この3項目をしっかり理解しておけば、満足のいく売却ができると思います。詳しくはこのあと解説していきます。

一般的な家売却の流れは上記の通りですが、売り主の状況や売却理由によって、売却の流れや準備が違います。まずはそれぞれ状況別で家を売却する際の注意点などを見ていきましょう。

住宅ローンが残っている

「住宅ローンがまだ残ってる状態でも家を売ることはできますか?」このような相談を受けることが多々あります。もちろん住宅ローンが残ってる状態でも家の売却はできます。

ただし、住宅ローンが残ってる状態での売却は、住宅ローンの残債務と売却価格が大きく関係してきます。理想は、ローン債務以上の価格で家を売却することです。それが出来ないときは、家の売却には様々な条件が付いてしまうことになるので注意しましょう。

住宅ローンが残っている場合の売却については、以下の記事でも詳しく解説しているので、こちらのも参照して下さい。

相続した家を売る

近年一番相談が多いのが、「親から相続した実家の対応問題」です。将来的にその家に住むことがあるのでしたら、一時的に賃貸として貸しておくのがベストです。

間違っても、空き家のまま放置しておくことは、絶対にしないでください。空き家だと「空き家対策特別措置法」の対象となり、行政指導や改善命令を受ける可能性があります。もし将来的にその家に住む考えがないのであれば、早急に売却することをおすすめします。

空き家に対する指導は年々厳しくなり、高額な固定資産税を払わされる可能性もあるので、空き家こそ、売れるうちに売ってしまうのが、べストな選択だと思います。

相続した家の対策についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事で解説していますので参考にして下さい。

共有名義の家を売る

「共有名義の不動産をどうしたらいいのか?」

これも相続した家に多くある相談です。共有名義の不動産売却で一番大事なのは、共有者全員の意思統一です。

まず共有者全員が同じ考えになることが最も大事であり、一人でも反対する人がいれば、売るにしても貸すにしても、それはとても難解な問題となります。管理人も不動産営業マンをしていたので言えるのですが、共有名義の不動産ほど揉めるケースは他にありません。

特に相続が絡むことも多く、最初の対応を間違ってしまうと解決の糸は縺れる一方です。

初動の対応を間違わないためにも、、以下の記事でさらに詳しく解説してますので確認しておきましょう。

老朽化した田舎の古い家を売る

相続した実家が、田舎にある築古住宅というのは良くあることです。そのせいか最近は、築40年や築50年の、築古住宅の売却相談を受けることが多くなりました。

こちらの「築古(古い家)を売却するためのコツと注意点」でも詳しく解説していますが、築古住宅こそまさに今が売りどきだと思います。今のこの時期を逃してしまうと、築古住宅の売却は益々厳しくなる一方です。

また、「どうしても買い手がみつからない」、「早急に売却してしまいたい」という場合は、業者による買取を検討するという方法もあります。

業者による買取は、買取価格の問題を除けば、瑕疵担保責任免除など数多くのメリットがあり、築古住宅にとっては決して悪い条件ではありません。

以下の記事でさらに詳しく解説していますので、買取についてもっと詳しく知りたい方はチェックしておきましょう。

住み替えのための売却

住み替えによる売却で一番悩むのが、「売却が先か」、「購入が先か」という問題ではないでしょうか。多くの書籍やサイトでは「売り先行型」を薦めていますが、管理人が思う理想形は、「同時期に決済と引渡しをすること」だと思っています。

また住み替えには、住宅ローンという問題も絡んできます。二重ローンや債務超過にならないためにも、住宅ローン問題もしっかりと吟味しておく必要があります。

理想の住み替えスケジュールや住宅ローンの問題点や解決策などについては、以下の記事で解説していますので参考にして下さい。

離婚による家の売却

やっと手に入れたマイホームを、離婚を機に仕方なく手放すという人もいると思います。この離婚による家の売却は、抱えている問題点が多いので特に注意が必要です。

最近は夫婦共働き世帯も多く、住宅ローンを組むときに、夫婦の収入を合算しているケースもよくあります。当然、そのマイホームは夫婦の共有名義となっているはずです。

その場合、ご主人や奥様のどちらかが、家の売却に同意しないということもあるかもしれません。ですが、離婚による家の売却で一番気をつけておくべきポイントは、「離婚成立前にどんな形であれ、家の売却を済ませてしまうこと」です。

離婚前に売却すべき理由など、離婚時の家の売却に関しては、以下の記事にて詳しく解説しています。

貸すのはあり?

これまで解説してきた「相続」や「離婚」にともなう家の売却の場合、売却という選択肢の他に、賃貸として人に貸しておくという選択肢もあります。

しかし不動産経験者としてアドバイスするなら、賃貸業(家主業)は思ってるほど簡単ではありません。毎月不労所得(家賃収入)が入ってくるのは魅力ですが、それ以上に苦労することは山積みです。

実際に多くの人が家主業をやられてますが、それと同じように多くの方が家主業を撤退されていることはあまり知られていません。しっかりとした覚悟と知識がなければ、とても付け焼刃で成功できるような甘いものではありません。

それに、一時的に賃貸として貸すことで、共有名義問題や離婚時の売却問題を先送りにすることができたとしても、抱える問題が増えるだけで解決にはなりません。売却する時期が先送りになればなるほど、築古住宅などの売却は難しくなります。

賃貸と売却の両方で検討したいという方は、以下の記事でより詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

家を高く売るコツ

家の売却を何度も経験する人はそう多くはいません。ほとんどの人にとって、今回の家売却が人生で初めての経験という人も多いはずです。

そこでこちらの項目では、家の売却においてもっとも重要なポイントは何か、どんな点により注意しておくべきなのかについて、わかりやすく解説します。

家を売却するときに特に重要なポイントは何か?

家の売却は、オークションなどでブランド品を売るのとは大きく違う点があります。それは、持ち家にはみんなそれぞれ特徴があり、同じ状態のものはないため、「定価がない」ことです。

そのため、上手な販売戦略を持っている人は高く売ることができますが、下手な人の場合は、相場より安く買いたたかれてしまうという恐れもあります。これを防ぐために重要になるのが、冒頭でも重要なポイントとしてご紹介した3つのポイントになります。

  • 仲介してくれる不動産業者の選び方
  • 適切な売却価格の設定
  • 内覧時の心構え(準備と対応)

この3つがしっかりできていないと、その他の細かい部分をいくら工夫しても、希望する額での売却は難しくなってしまうと思います。まずはこの3点を最優先で考えるようにしましょう。

仲介業者はどうやって選べばいいのか?

家を売却する際には、不動産業者と契約をして、家を購入したい人との間を仲介してもらう事になります。そのため、契約した不動産業者のことを「仲介業者」と呼びますが、この仲介業者が非常に重要になってきます。

なぜなら、もし広告活動が下手だったり、査定価格がおかしな業者にあたってしまった場合、最終的な売却金額が、大きく減ってしまう可能性があるからです。

日本で有名な仲介業者といえば、東急リバブルや野村の仲介+(プラス)、三菱UFJ不動産販売、Century21など色々ありますが、常に大手業者が一番だとは限りません。

状況によっては、地元のネットワークに強い中小業者の方が強いこともあるので、とにかく、「しっかりと比較してから契約する」、ということを徹底して下さい。

なんとなく一社だけ話を聞いて、すぐその場で契約、なんてことをしてしまうと、大げさではなく百万円単位で損をする可能性あります。

中には不正を働く業者もいる

さらに注意しなければならないのは、仲介業者の中には、自社の利益を多くするために、不正を働く業者もいるという点です。

例えば、早く家の売買を成立させてお金を稼ぐために、売り主(あなた)に対してあれこれ理由をつけて、相場よりも低い価格で売ることを強要してくるケースなどがあります。

あるいは、あなたからの契約を勝ち取るために、最初の査定時に、普通ではあり得ない高額な査定をしておいて、いざ契約をしたとたん、「その金額では売れないので値下げしましょう」、などといってくるケースもあります。

元々同じ業界にいた人間としては非常に残念なことですが、このような悪質な業者がいることは事実なので、仲介業者を選ぶ際は、必ず複数の業者を比較してから、一番信頼できそうなところを選ぶようにして下さい。

他にも、「両手仲介」や「仲介業者の得意・不得意な分野」などといった問題もあり、仲介業者選びは本当に大事なポイントなので、詳しくはこちらのページで解説しています。ぜひ一度チェックしてみて下さい。

媒介契約について理解しておこう

売却の依頼をしたい仲介業者が決まったら、次はどの内容で契約するかを決めなければなりません。不動産売却を依頼する仲介業者と結ぶ契約のことを、「媒介契約」といいます。

媒介契約の種類は「一般」、「専任」、「専属専任」の3つです。しかし専任と専属専任は大きな違いはなく、一般的には「一般」と「専任」のどちらかを選ぶことになると思います。

一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
依頼できる不動産業者数 制限なし 1社のみ 1社のみ
自分で探した買主との契約 ×
売り主への状況報告義務 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
レインズへの登録義務 なし 契約から7日以内 契約から5日以内
契約の期間 3ヶ月 3ヶ月 3ヶ月

不動産業者としては、一番得をする「専属専任」を薦めてくるかもしれませんが、よほどの理由がない限りは「専任媒介契約」で問題ありません。

媒介契約ついては、、以下の記事でさらに詳しく解説していますので参考にして下さい。

適切な価格設定ができているかどうか確認しよう

仲介業者選びの次に大事なのが、ちゃんと適切な価格設定が行えているか、という点です。

家の価値は一軒一軒違うので、定価というものがありません。そのため、仲介業者の査定額をもとに売値を決めていくのですが、これもその時々の状況で変化していきます。

例えば、最初につけた価格が相場よりも高すぎたとしたら、当然売れる確率は下がるので、値下げが必要になるかもしれません。あるいは、ちょうど相場価格くらいで売りに出していたのに、同じ地域でライバルが出てきたために、やむを得ず値下げをするというケースもあります。

家の売却価格は、「一度決めたらそれで終わり」というものではなく、状況に応じて金額を調整していかなければなりません。この点については、売り主であるあなたの希望額を参考に、相場を知っている仲介業者と相談しながら決めていくことになります。

もし仲介業者が一方的に売値を決めてくるようなケースがあれば、悪質業者の可能性が高いので、すぐに契約を見直した方がよいでしょう。

売り出し価格を決める際は必ず査定比較を

家の売却を成功させるためにまず大事なのは、やはりスタートの価格をいくらにするか、という点です。

これに関しては、仲介業者の査定額が大きく影響してきますので、必ず複数の業者に査定を取ってもらった上で決めて下さい。一社だけの査定額を鵜呑みにするのは厳禁です。

不動産業者によって、家の査定額にはかなりの差がでますので、最低でも3社以上に査定をしてもらった上で、「なぜその査定額になるのか?」を業者に直接聞いて下さい。この質問に明確に答えてくれるかどうかで、仲介業者の良し悪しを見抜くヒントにもなります。

また、もしなかなか家が売れずに値下げをする場合にも、「損をしない値下げのルール」をしっかり守らないと、必要以上の値下げをしてしまい、損する可能性が高くなります。

このような売却価格に関する解説は、下記のページに詳しくまとめましたので、仲介業者の選び方と同じく、ぜひ一度目を通しておいて下さい。

内覧時のポイント

物件の売却がスタートすると、いよいよ内覧希望者を迎えることになります。貴重な時間を割いてまで内覧に来てくれるということは、それだけあなたの物件に興味を強く持ってる顧客ということです。

内覧時の一番大事なポイントは、内覧者はあなたにとってのお客様だという意識を持つことです。買主は、数千万円という高額な買い物をするわけですから、売り主もそれなりの準備と対策が必要なのは言うまでもありません。

内覧時の準備や対応で、売買契約の成否に関する50%は決まると言っても過言ではありません。早期売却、希望価格での売却を実現するためには、この内覧時の準備と対応が一番の正念場だと思ってください。

具体的な内覧時の対策と心構えについては、以下の記事で詳しく解説していますので、この記事を参考に内覧を成功させて下さい。

一括査定サイトを上手に利用する

ここまでで、家を売却する際に特に重要な3つの項目を紹介しました。その中でもやはり一番のポイントになるのが、売却を依頼する仲介業者の選び方です。

そんな仲介業者の選び方として、ぜひ利用してもらいたいサービスが不動産売却の一括査定です。

ご存知のように、最近では引っ越しや車の売却、生命保険の見積もりなど、多くのものがインターネットで簡単に一括査定の依頼ができるようになりました。

まとめて査定が取れて便利なのはもちろんですが、それ以上に、悪質な業者に騙されにくいという大きなメリットがあります。

大手企業が運営している一括査定サイトの場合、登録している仲介業者の審査もしっかりと行っているので、一括査定サイト経由で業者を探せば、悪質な業者に遭遇する確率をガクッと下げることができます。

  • まずは一括査定サイトで候補となる業者を選ぶ
  • 次に実際に査定をしてもらい、その根拠をたずねる

不動産のような高額なものを売却する際には、慎重に慎重を重ねるくらいの気持ちでやらないと後悔します。最低でもこれくらいの手間をかけて業者を選定してください。

不動産の一括査定サイトに関しては、最近大手企業が相次いで参入してきていますので、利用者側にとっては、より使いやすく便利なサービスになってきています。

もちろん、一括査定自体は何回でも無料で利用できますので、なるべく時間に余裕があるうちに査定をとって、慎重に業者選びを進めて下さい。

契約した仲介業者とは、家の売却が終わるまでの大切なパートナーになります。知識だけでなく、人間性なども考慮した上で、信頼できる業者を選びましょう。


家を売る際の相場について

家を売る際の相場は、売却査定をお願いすればわかります。しかし、住み替えでの売却などは、査定をお願いする前に、おおよその売却相場を知りたいと思う人もいるでしょう。

そこでこの項目では、自分で売却相場を調べる方法などについて解説します。

家の評価と相場の関係性

売却したい物件が分譲マンションであれば、相場を知るのは難しくありません。同じマンションで売りに出されている物件をインターネットで検索すれば、おおよその売却相場を知ることができるからです。 

しかし、戸建て住宅となれば話しは違います。戸建て住宅といっても木造住宅もあれば、軽量鉄骨造やRC造の建物があります。なにより土地の広さや立地の問題も、売却価格に大きく関係してきます。

木造や鉄骨などの構造

「木造住宅は20年を超えると、建物としての価値は0円になってしまう」

このような話しを聞いたことがある人もいるでしょう。しかしこれは税金面での話しであり、家の売却としては間違った情報だといえます。

悪質な不動産業者のなかには、その情報を利用して、少しでも査定額をさげ、早期売却を企んでいるケースがあります。家が早く売れれば、不動産業者に仲介手数料が入るからです。

家の構造、そしてリフォームなどのメンテナンスまで、しっかり考慮して査定してくれる不動産業者を選ぶことが大事です。

駅までの距離など交通の便

戸建てでもマンションでもいえることですが、最寄駅までの距離や交通の便などによって売却相場も大きく違ってきます。

最寄駅までの距離などは、自分で相場を調べるときは、あまり細かく気にする必要はありません。徒歩6分と徒歩9分では、実際の査定にも大きな違いはでないからです。

徒歩5分以内、徒歩5分~10分以内、徒歩10分~15分以内というように、5分刻みくらいで似たような物件を探すと、過去の取引相場なども参考になる物件が多くみつかると思います。

周辺環境

生活に便利な環境の立地であれば、それだけ査定も高く評価をしてくれます。しかし、自分で売却相場を調べるのに、あまり近隣の周辺環境まで気にする必要はありません。

また、「今度近くに大型ショッピングモールの建設予定がある」、「前面道路の拡張が決まってる」など、査定額に大きく影響しそうな計画がある場合は、とくに自分で売却相場を調べるのは厳しくなります。

なにか大きな都市計画があるのであれば、素直にプロの不動産業者に査定を依頼することをおすすめします。

土地の広さや境界問題

自分で相場を調べるのに一番苦労するのが、戸建て住宅の土地の広さや境界問題です。例え数軒となりの戸建て住宅が売りに出されていても、その価格をそのまま自分の家の売却相場として考えることはできません。

売りに出されている家の築年数、土地の広さ、建物の構造などが違うはずです。しかも、仮に3,000万円で売りに出されていたとして、土地の価格○○万円、建物価格○○万円というように、その3,000万円の内訳を知ることもできません。

このような相違点などを理解したうえで、自分の家の売却相場を調べるのであれば問題ありません。次の項目では、自分で売却相場を調べる方法を紹介していきます。

相場の調べ方

売却相場を自分で調べるのに適したサイトを2つ紹介します。どちらも運営元がはっきりしてる、信用できるサイトですので安心して利用できます。

レインズマーケットインフォメーション

国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理していて、全国の不動産業者が利用してる「レインズ」というインターネットサイトがあります。

しかし本家のレインズは、残念ながら不動産業者しか利用することができません。

そこで紹介したいのがこちらの「レインズマーケットインフォメーション」というサイトです。本家レインズと運営元は同じなのですが、利用できるサービスを制限することで一般公開されています。

それでも売却相場を調べるには、十分すぎる情報を公開してくれています。利用方法も簡単ですので、はじめて利用する人でも手軽に検索することができます。

このようにトップページから、調べたい物件の「都道府県」と「地域」を選び、下の検索ボタンをクリックするだけです。

ただし地方の県になると、地域を選択できなくなるので、そのときは下図のように、次に表示されるページから詳細な地域を選ぶことができます。

必要な項目を選び検索ボタンをクリックすると、下図のように該当する過去の取引事例が表示されます。

このように実際に売買取引された内容を調べることができるので、自分の家に近く、似たような条件で取引された事例を参考に、おおよその売却相場を調べることができます。

レインズマーケットインフォメーションの公式サイトへ

土地総合情報システム

こちらも国土交通省が運営しているサイトなので、安心して利用できます。

先ほど紹介した「レインズマーケットインフォメーション」は、過去の取引事例を調べることができるサイトでしたが、こちらの土地総合情報システムでは、取引事例の他に、
地価公示価格を調べることができるので、それらの基準価格から、売却相場を算出することもできます。

調べ方も簡単で、トップページから以下の図のように調べたい項目をクリックしてください。

今回はレインズと同じように「不動産取引価格情報検索」から、過去の取引事例を調べる方法を解説していきます。

このような画面が開きますが、日本地図からではなく、左側のメニューから調べる方が簡単です。

すると以下のページへ移動するので、(1)の時期はそのまま、(2)の種類の欄では調べたい項目をクリックします。戸建て住宅であれば「宅地」、マンションなら「中古マンション」を選び、(3)の地域は都道府県、市区町村、地域まで選ぶことができるので、調べたい地域を選択するだけです。

そして最後に「この条件で検索」のボタンをクリックします。

以下のような画面が開きますので、自分が知りたい情報があれば、一番左側の数字をクリックしてください。より詳細な情報を見ることができます。

あとは自分が売却を考えている物件と、どれだけ条件が似ているかを精査し、どれくらい参考にできるかは、ご自身で判断してください。

土地総合情報システムの公式サイトへ

この家だとどのくらいの相場?

実際にいくつかの例をあげ、おおよその売却相場価格とその金額になった根拠を解説します。

【例1】 東京都世田谷区2丁目、土地40坪・鉄骨築16年2階建て

売却相場=9,000万円~12,000万円

理由

上記で紹介した「土地総合情報システム」で検索した結果、世田谷2丁目であれば豪徳寺周辺なので、その条件で検索しました。すると以下の過去取引事例があり、参考にしました。

こちらの物件は世田谷2丁目の豪徳寺となっており、土地の広さも145㎡なので、およそ43坪程度です。また建物の構造も同じく鉄骨造で、築年数こそ27年と古いですが、参考にするには最も近い条件でした。

多少こちらの物件が築年数が経過してることもあり、今回の築16年という点をプラス評価して、売却相場は最大12,000万円程度になると予測しました。

【例2】 埼玉県さいたま市北区35坪・木造築8年3階建て

売却相場=3,000万円~4,000万円

理由

こちらも同じく「土地総合情報システム」で、似たような過去の取引事例を調べました。

さいたま市北区といえば、JR加茂宮駅周辺に住宅が多いため、検索条件にて最寄駅を加茂宮駅として検索しました。

その結果、築年数や土地の広さなどから以下の物件が一番近いと思い、この売却相場を予想しました。

ただし、土地の間口が5.2mと少し狭いこともあり、旗竿地の可能性もあるため、今回はこの取引事例よりも少し高めの4,000万円という売却相場にしました。

【例3】 大阪府貝塚市100坪・木造築35年平屋

売却相場=1,500万円~2,000万円

理由

貝塚市から南東の山側に向かい阪和線や国道30号線を越えると、沿線沿いを離れたら昔ながらの古い建物が目立つようになります。

今回は100坪という敷地で、木造35年を越えていることもあり、少し田舎の戸建て住宅という売却相場の見立てです。

田舎になるとそれだけ過去の売却事例も少なくなり、参考にできるような事例がヒットしないこともあります。そんなときは、過去の取引事例に頼らず、地価公示価格から売却相場を算出方法もあります。

今回はこの赤丸のポイントで売却相場を調べてみます。調べる方法は、同じく「土地総合情報システム」のサイトですが、今回は取引事例ではなく、公示価格を選択します。

するとこの図のように赤丸で囲っている部分に、黄色の●があるのがわかると思います。この黄色のポイントをクリックすると、地下公示価格が表示されます。

これでみると、地価公示価格は52,000円(㎡)と書かれています。つまり、1㎡あたり、この土地には52,000円の価値があるということです。

路線価などより、地価公示価格は実勢価格に近いと言われていますが、それでも実勢価格とは多少の乖離があります。

ですので、単純に52,000円×3.3㎡=1坪の価格と考えるのはリスクがあるので、あくまでも参考程度に留めておくのが良いでしょう。

今回は建物が築35年と古いこともあり、ほとんど土地の価格だけの売却相場となりました。

【例4】 愛知県名古屋市名古屋駅近郊・分譲マンション築3年20階建ての6階(3LDK)

売却相場=2,500万円~3,000万円

理由

今回は名古屋駅近郊ということで、分譲マンションなどが多い中村区で調べました。その中でも築年数が近いのが若宮駅の近くだった物件です。こちらの物件は築5年ほどで同じ3LDKです。そのときの売却価格が2,700万円だったため、売却相場は2,500万円~3,000万円と予測しました。

家を売る際の税金や費用について

家の売却では、売却金額がすべて自分の手元に残るわけではありません。各手数料や手続きに必要な諸費用があります。ここでどのような諸費用が必要になるのか知っておきましょう。

仲介手数料のように、家の売却金が入る前に現金で支払わなければならない費用や、家の売却によって多額の税金を支払うことになるケースもあります。

大きく分類すると、以下の3つで考えておくと良いでしょう。

家を売るときの手数料
  • 仲介手数料
  • 住宅ローンの一括返済手数料
  • 司法書士報酬
家を売るときの税金
  • 譲渡所得税と住民税
  • 印紙税
  • 消費税
  • 登録免許税
その他の諸費用
  • 更地渡しでの解体費用
  • 耐震診断や地盤調査
  • 測量費用
  • 引越し費用

こちらのページでは、各費用の要点だけを解説していますので、さらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にして下さい。

手数料

仲介手数料

売買契約時に支払うので、売却代金が入る前に現金が必要となります。金額は売却価格の3%+6万円に消費税が必要です。

3,000万円で売却した場合だと「3,000万円×3%+6万円×1.08」なので、1,036,800円を支払うことになります。

住宅ローンの一括返済手数料

住宅ローンが残ってる状態で売却する場合、売却代金でローンの残債を一括返済しなければなりません。

そのとき事務手数料が必要となります。手数料の金額は融資を受けている金融機関によって異なります。

司法書士報酬

不動産の移転登記は買主負担となりますが、住宅ローンの抵当権が付いてる状態だと、この抵当権を抹消しなければ売却することができません。

その際、司法書士へ依頼するのが一般的で、そのための司法書士報酬費用だと思ってください。こちらも司法書士によって金額は異なりますが、平均すると20,000円~30,000円ほどです。

税金

譲渡所得税と住民税

家の売却によって利益が出た場合に限り、所得税と住民税を納めなければなりません。

しかし一般的な家の売却であれば、利益が出ることも稀ですし、仮に利益がでても各控除や特例措置があるので、ほとんどがこの譲渡所得税をおさめるケースはありません。

印紙税

売買契約書に貼付する印紙代のことです。3,000万円で売却するのであれば10,000円の印紙を貼付します。

消費税

不動産物件には消費税は発生しません。この場合の消費税とは仲介手数料や司法書士報酬などに対して掛かる消費税という意味です。ですので、あまり気にする必要がない項目だといえます。

登録免許税

登録免許税とは、不動産登記を移転したり、抹消するときに掛かる税金のことですが、基本的は司法書士報酬に入ってる費用なので、こちらもあまり気にする必要はありません。

ちなみに、土地抵当権抹消1,000円、建物抵当権抹消1,000円が登録免許税の額です。

その他諸費用

更地渡しでの解体費用

建物を解体して、更地で売却することになったら、建物の解体費用も考えておく必要があります。

解体費用の目安は木造住宅であれば1坪25,000円~30,000円程度。鉄骨造の住宅であれば1坪40,000円~60,000円ほどになります。

解体費用も家の売却と同じように、インターネットの一括見積りサイトがありますので、少しでも解体費用を抑えたいという場合は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

耐震診断や地盤調査

こちらも絶対に必要になる費用ではなく、買主からの依頼や売却のツールとして考えておくべき項目です。地盤調査の依頼が買主から入ることがありますが、この費用を売り主が負担する必要はないと思います。

また、家を売れやすくするために「住宅診断」や「耐震診断」を受けておくことを、仲介業者から薦められることがあります。

費用は調査内容にもよりますが、数万円程度でおさまるものばかりですので、販促ツールとして診断を受けておくのもありだと思います。

測量と境界標識の設置

相続したような古い家の売却で問題なのが、境界敷地がはっきりしてない物件による境界の問題です。この場合、売却するにあたり境界をハッキリさせなければならず、その測量費用などが掛かります。

測量といっても、比較的簡単にできるものから、大掛かりなものまで色々と種類があるので、まず現在の状況を把握して、どのような測量が必要なのかを確認しておきましょう。

測量の方法が決まったら、あとは少しでも費用が安い測量業者を探しましょう。

引越し

住んでる家を売却するのであれば、当然引っ越し費用も考えておかなければならず、これも売却金額が入る前に現金での支払いが必要となる項目です。

こちらもネットの一括見積り査定サイトがあり、かなり引っ越し費用を抑えることができると話題です。

控除や特例を利用しよう

家を売却したときの控除や特例は数多くありますし、かなり難しい問題だと思ってる人も多いようです。しかし、あまり難しく考える必要はありません。

要するに、家を売って利益が出たかどうかを考えます。以下の2つを理解しておきましょう。

  • 利益が出た場合=使える控除や特例がないか調べる
  • 損益(損失)が出た場合=繰越控除で税金が戻ってくる

つまり、家の売却で利益が出たのか、それとも損益が出たのかを、計算できるようにしておけばいいということです。

利益が出るというのは、「買った時よりも高い金額で家が売れた」場合のことを言います。

損益(損失)が出たというのは、「買った金額よりも安い金額で家を売った」場合のことを言います。

利益が出た場合

2,000万円で買った家が、3,000万円で売れた場合だと、利益となる1,000万円に対して譲渡所得税が発生します。

しかしこのような場合、3,000万円控除や買い替え特例のように、あらゆる控除や特例が用意されているので、実際に譲渡所得税を払わなくていい人がほとんどです。

買った金額よりも高値で家が売れることすら稀ですが、仮に売却で利益が出た場合は、すぐに税務署に相談するか、最寄の無料税理士相談会に参加することをおすすめします。

譲渡所得税の3,000万円控除につていは、以下の記事でさらに詳しく解説していますので参考にして下さい。

損益が出た場合

家の売却では、ほとんどの人がこちらに該当すると思います。3,000万円で買った家を売却したら、2,500万円で売れた場合などです。この場合だと、単純計算でも500万円の赤字(損益)になります。

この場合は、逆に払い過ぎてる税金が戻ってくる可能性が高いです。どのような方法で税金を戻してもらうかというと、確定申告をして500万円損をしましたと申告しなければなりません。

500万円分を年収から差し引き、すでに給与天引きでおさめている所得税や住民税から払い戻してくれます。それなりの金額が戻ってきますので、家や不動産を売却したら、確定申告は必ずおこないましょう。

2,000万で家が売れた場合

実際に2,000万円で家が売れたと仮定して、それぞれの目安費用を算出してみます。

売却価格 2,000万円
購入価格 2,500万円
住宅ローン債務 1,780万円
仲介手数料 712,800円
印紙代 10,000円
司法書士費用 32,400円
住宅ローン繰り上げ返済手数料 21,600円
譲渡所得税 0円
諸経費合計 776,800円

2,000万円ー1,780万円ー77万6800円=1,423,200円

このケースだと、手元の残る売却代金は142万円ちょっとです。

さらに、先にも話した損失利益の繰越控除を受けることができるので、確定申告をすることで、あと数十万円は戻ってくる可能性が考えられます。

保険や保証料が返ってくる可能性も

実は、家が売れたことで、戻ってくるお金もあります。

住宅ローンの保証金

金利上乗せや分割払いではなく、住宅ローンを借りるときに、保証会社への保証金を一括支払いしている場合は、繰り上げ返済することで保証金の一部が戻ってきます。

火災保険などの各種保険

こちらも金利上乗せや分割払いではなく、住宅ローンを借りるときに火災保険を長期一括支払いしてる場合に限り、残ってる期間の保険料が返金されます。

固定資産税の日割り相当額

固定資産税は1月1日時点の所有者に請求がきますので、年の途中で売却する場合は、残ってる日数分を日割り計算して請求することができます。

売れない場合の原因と対策

家を売りに出して買い手が見つかるまでの平均期間は、4ヶ月~6ヶ月と言われています。つまり、6ヶ月を過ぎても家が売れないときは、何かしらの原因が考えられるということです。

そのまま売却を続けても、期待する結果にはならない可能性が高く、いま一度、売却の見直しが必要な時期に来てると考えられます。

なぜ売れなかったのか、その原因を究明し、改善することが今の課題です。

ここからは、家が売れなかった理由として多い事例をいくつか紹介しますが、以下の記事でも詳しく解説していますのでチェックしておきましょう。

内覧時の対応に原因がある

内覧時の準備と対応がしっかりできてなかった可能性が考えられます。不動産業者にすべて任せてしまうのではなく、自分でできる内覧時の対策はいくつもあります。

内覧者が一番リラックスして見学できる環境を作ってあげることも売り主の努めです。しっかりとした前準備、そして内覧者を迎えるときの心構えをしっかりと理解しておくようにしましょう。

家に原因がある

売れない原因が、建物そのものにあることも考えられます。家の価値と売り出し価格のバランスが取れてないことも原因かもしれません。

この場合、売主が欲を出したというより、そもそも売却査定に間違いがあった可能性が高いと思います。

一番高い査定額を出してくれた業者に、安易に売却依頼をしてはいけません。売却査定は1社だけでなく、かならず複数の業者から話しを聞いて下さい。

仲介業者に原因がある

家が売れない原因として多いが、仲介業者の問題です。以下の2つの理由が考えられます。

  • 両手仲介や物件の囲みこみを狙ってる
  • 売買を苦手としており、期待通りの販促活動が出来てない

どちらにしても、仲介業者の変更を優先的に検討しなければならない状態だといえます。

仲介業者の変更を視野に入れよう

仲介業者を変更することを、悪いことのように思ってる人が多くいますが、決してそんなことはありません。

信頼できないお医者さんに命を預けることができないのと同じです。数千万円という高額な取引ですから、信頼できる業者に変更するのは当然のことです。遠慮したり、罪悪感を感じる必要はありません。

しかし、この決断をするまでに、多くの時間を費やしているのですから、次に依頼する業者での失敗はしたくありませんよね。

そのために売主がやるべきことは、ただ1つです。少しでも多くの業者に相談し、本当に信頼して売却をお願いできる不動産業者を探すことです。

仕事が忙しく、なかなか複数の不動産業者に相談する時間が作れないという人こそ、インターネットの一括査定サイトを利用してください。

一括査定サイトによって登録されている業者が違うため、いくつかのサイトを利用する方法も有効です。売れにくい物件の場合は、提携業者数が多く、地元の不動産業者が登録されている査定サイトの利用がおすすめです。