立体駐車場経営は平面駐車場と比べた場合の儲けとリスク

立体駐車場経営は平面駐車場と比べた場合の儲けとリスク

駐車場経営を始めようとしたときに、立体駐車場と平面駐車場のどちらにしようかと悩むことがあります。

同じ面積の土地で考えると、初期投資額は明らかに平面駐車場の方が低いのですが、収容台数は立体駐車場の方が多くてかなりの収入が見込めます。

そう考えると多少のリスクはあるけれど、収容台数が多い立体駐車場にするべきなのか、それとも収容台数は少なくなるけれど、低リスクの平面駐車場の方がいいのか、悩みます。

そこで、平面駐車場と立体駐車場の比較を、分かりやすく説明をしていきます。

立体駐車場の種類

立体駐車場といってもいろいろな種類がありますが、大きく別けると機械式立体駐車場と自走式立体駐車場の2種類に分けることが出来ます。

そして、機械式駐車場も多段式とタワーパーキングの2種類に大別することが出来ます。機械式立体駐車場と自走式立体駐車場の種類を見ていきます。

機械式

1つは多段式といって、駐車スペースとして1台ごとにパレットを使う形式のタイプです。地下型と地上型に分かれていますがどちらも中央に出入り口を設けて、左右に車の収容パレットが来るようになっています。

収納パレットですが土地の面積によって左右2列で計4列、あるいは左右どちらかが1列で合計3列などが一般的です。段数は発注者の任意で決めることが可能ですが、多くても5段か6段程度の構成が一般的です。

例えば4列5段式の構成にすると、5台分の駐車面積で20台分の収容力を持つことが可能ですから、同じ面積の駐車場で賃料は4倍になります。

もう1つがいわゆるタワーパーキングといわれているタイプです。これもパレットに車を収納しますが、多段式のように何列・何段というレイアウトではなくて、車の幅4~5台分プラスある程度の幅があれば、後はメリーゴーランドのように建物の中をパレットに格納された車が循環するようになっています。

このタイプを垂直循環式といいます。他にもエレバーター式やフォーク式というタイプがあります。

収容台数は建物の高さによりますが、建物自体100m級の高さを建設することが可能なシステムもあります。ワンボックスやSUVのような背の高い車の入庫をカットして設計してもらえば、100台近い台数の収容も可能です。

ただし、今の時代はワンボックスやSUVに乘る人が増えていますから、これをやってしまうと稼働率が下がる可能性もあります。

自走式

3層4段とか4層5段などという構造の駐車場です。考え方としては、平面駐車場を何層にも重ねた構造だという感じです。

収容台数ですが、平面駐車収容台数×段数-自走通路面積=収容台数という感じになります。同じ面積でしたら段数にもよりますが、平面式よりも収容台数はかなり多くなりますから、賃料も多く見込めます。

立体駐車場と平面駐車場の比較

立体駐車場と平面駐車場ですが、初期費用とランニングコストについて調べてみましたのでそれぞれを比較してみます。

条件として、所有している土地を活用するケースを想定したので、土地取得の費用は含めない建設費用で比較しています。比較しやすいように、総工費ではなく1台あたりの単価で見ていきます。

初期費用を比較

まず初期費用ですが、多段式といわれている機械式の場合だと、1台あたりの単価は100万円を少し超えるぐらいになります。

タワーパーキングになるとさらに高くなって、1台あたりの単価は350万円から500万円ぐらいになるケースもあります。もちろん、建物の高さが価格に影響していますから、収容台数を多くしようとすると高単価にならざるを得ないという感じです。

また、自走式の場合ですと1台あたりの単価は100万円から350万円ぐらいになります。

平面駐車場の単価は、アスファルト舗装とコンクリート舗装ではやや違いがありますが、10万円から50万円ぐらいになります。この単価には歩道の切り下げや電気工事、照明、ライン引きと番号表示、車止めの費用も入っています。

ランニングコストを比較

ランニングコストですが、機械式の場合ですとメンテナンス費用がかかります。多段式の場合は、1台あたりのメンテナンス費用は月額で1,000円から4,000円ぐらいかかります。

タワーパーキングの場合だともっと高額になって、月額8,000円前後になります。自走式の場合は月額1,000円ぐらいです。

これに電気代、消火器の点検交換費用、消火設備点検費用、などが入ります。自走式の場合ですと、塗膜防水のメンテナンス(塗り替え費用÷耐久年数)費用がかかります。

電気代ですが、タワーパーキングの場合、1台の入出庫でもパレットを全部動かしますから、かなり高額になります。タワーパーキングの年間ランニングコストは、台数にもよりますが数百万円単位になるといいます。

一方の平面駐車場ですが、照明などの電気代ぐらいしかかかりません。照明の数などにもよりますが、年間十数万円程度のランニングコストだといわれています。

利回りについて

利回りには表面利回りと実質利回りがあります。計算方法は次のとおりになります。

  • 表面利回り=賃料収入÷初期費用×100%
  • 実質利回り=(賃料収入×稼働率-ランニングコスト)÷初期費用×100%

実質利回りで考えないと、本当の経営数字にはなりません。そして、実質利回りを計算するうえでランニングコストが大きなウエイトを占めています。

例えば50台規模の稼働率80%のタワーパーキングで、賃料40,000円、年間ランニングコストが600万円、初期費用が1億として計算してみます。賃料収入は稼働率が80%なので40台で賃料40,000円の12ヶ月分で1920万円になります。

(1920万×0.8-600万)÷1億×100%=0.0936

ですから、約9.4%の利回りになります。決して悪くはありません。
一方の平面駐車場ですが、同じく50台規模で稼働率80%、賃料40,000円、年間ランニングコスト20万円、初期費用が2500万円だと仮定してみます。

(1920万×0.8-20万)÷2500万×100%=0.6064

ですから、約61%の利回りになります。
平面駐車場の表面利回りですが、実際に東京23区内で駐車場経営をした場合、148%~183%というデータがあります。あくまでも表面利回りですが、すごい数字ですね。

まとめ

駐車場経営は利回りだけでは判断できません。同じ面積で高稼働率が見込める立地条件でしたら、圧倒的に収容台数が多い機械式駐車場が有利です。

しかし、一方では15年といわれている耐用年数や、機械的なトラブルがあった時などのリスクを考えるとやや怖いような気もします。それと、耐用年数が来た時に撤去費用が莫大だということも大きなリスクです。

さらに、初期費用がかなり高額になることも、大きなリスクです。特にタワーパーキングの場合だと1台あたりの単価が高いですから、初期費用は相当大きなものになります。

もし、稼働率が悪くてやめたいと思っても、投資額が大きいですからなかなか決断がつきません。そのうちに赤字が累積してしまって、大変なことになりかねないことも予測できますので、まずは自走式の駐車場から始めるのがおすすめです。

駐車場経営の始め方については、こちらのページで詳しく解説しています。、検討している人は、ぜひ1度チェックしてみて下さい。

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