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中古住宅を売却するときには、ホームインスペクション(住宅診断)に関する説明が不動産業者に義務付けられています。この義務化は、2018年4月1日に施行された改正宅建業法によってすでに実施されているものです。
内容としては、不動産業者と媒介契約をする際と、売買契約前の重要事項説明の際に、物件のホームインスペクションについて確認、説明することになっています。
ホームインスペクションとはどんなことなのか、なぜ契約時の確認事項となっているのかなどについて、分かりやすく解説をしていきます。
※本記事の情報は2026年7月時点のものです。補助金制度は年度ごとに内容が変わるため、最新の情報は国土交通省や自治体の窓口で確認してください。
ホームインスペクションとは
ホームインスペクションとはどんなものなのかというと、住宅の専門家が第三者の立場で住宅の評価を客観的に行うことです。
評価基準ですが、国土交通省による既存住宅インスペクションガイドラインが基本になっています。
ホームインスペクションには目視による一次インスペクションと、一部破壊検査を伴うこともある二次インスペクションがあります。
目視による一次インスペクションで何らかの異常や劣化が認められた場合には、修繕や補修の対象になるため、一部破壊検査を伴うこともある二次インスペクションを受けることになります。
戸建て建築物の説明義務の対象は、基礎、壁、柱などの主要基本構造部分の強度、それに雨水の侵入を防いでいる屋根、外壁、開口部など建築の主要部分になっています。
このホームインスペクションの説明が義務化された背景には、中古住宅の流通を促進する目的で2016年に成立した宅建業法の一部改正があります。
日本の中古住宅市場は欧米各国に比べると、市場の流通性はかなり低水準になっています。流通性を上げるためにリフォーム市場を形成して、市場規模を高めて新たな需要を喚起することで経済の活性化を図りたいという狙いがあります。
インスペクションの実施期間は、1年以内に行われたものが対象になるので、買主も安心して中古住宅を購入することができます。
売主側にとっても、引き渡し後に契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)をめぐるトラブルになる心配を減らせるので、売主と買主双方にメリットがあります。安心して中古住宅の売買ができる市場環境を整備していくことが出来れば、中古住宅市場は活況を呈するようになるので、自然に経済が活性化していきます。
ホームインスペクションの費用相場
ホームインスペクションの費用相場ですが、簡単な検査でしたら7万円前後という金額が多いようです。しかし、詳細に調べて欲しいということになると、10万円~15万円前後の料金になるといいます。
詳細なインスペクションの内容ですが、屋外・室内・床下・小屋根・天井裏・設備関連となっているのが一般的です。それぞれの内容ですが、以下のようになっています。
屋外の検査項目
屋外の検査項目は大きく分けると8項目になります。
- 基礎部分のひび割れや著しい欠損の有無
- 鉄筋の露出、浮き、剥がれの有無
- 蟻道の有無
- 外壁のひび割れ、欠損、剥がれ、変色やコケの発生、隙間、腐食、ずれ、錆、雨漏りなどの有無
- 雨といの破損、外れ、ヒビ、詰まりの有無
- 軒裏のひび割れ、欠損、浮き、剥がれ、雨漏り、腐食の有無
- バルコニーの防水層の破断、面格子(めんこうし)のグラつき、錆、腐食、転落防止用手摺の状態、網戸の作動状態などの確認
- 外部階段の構造体と支持部の欠損、取り付け部の破損、踏面の腐食、破損、手すりの状態、指示部の腐食の有無
室内の検査項目
室内の検査項目は大きく分けると5項目になります。
- 柱、壁、梁の腐食やカビの有無
- 仕上げ材の割れ、浮き、剥がれやヒビの有無
- 床材の割れや剥がれ、浮きや傾きの有無
- 階段の状態の確認
- 天井や壁紙の剥がれや浮き、亀裂、腐食、ひび割れ、カビや欠損などの有無
床下(侵入して確認できる範囲)の検査項目
床下の検査項目は大きく分けると4項目になります。
- 土台や床組みの部材や接合部の状態の確認
- 基礎の耐圧盤と基礎立ち上がり部分の確認
- 束のゆるみや浮き、錆の有無
- 災害履歴と漏水痕、火災痕、蟻害などの確認
小屋根・天井裏(点検口から確認できる範囲)の検査項目
小屋根・天井裏の検査項目は大きく分けると5項目になります。
- 梁桁と小屋組の部材や接合部の状態確認
- 金物の不足や緩み、錆の有無
- 鉄骨造の状態確認
- 各階間の天井裏の部材と接合部の状態確認
- 換気ダクトの状態確認
設備関係の検査項目
設備関係の検査項目は大きく分けると8項目になります。
- 封水の状態確認
- 給排水設備と換気ダクトの作動状態確認
- 浴室の給水状態と漏水確認
- トイレの給水状態と漏水確認
- キッチンの給水状態と漏水確認
- 電気温水器などの給水状態と漏水確認
- 最終ますの状態確認
- 火災報知器設置状況の確認
このように10万円~15万円前後の料金で、かなり細かく診断をしてもらえます。ここに挙げた料金ですが、業者によってばらつきがありますから事前に確認をしておく必要があります。
既存住宅の流通を後押しする補助金制度
良質な既存住宅(中古住宅)の流通を後押しするため、国はこれまでも「住宅ストック循環支援事業」や、その後継にあたる「住宅ストック維持・向上促進事業」など、インスペクションやリフォームにかかる費用の一部を補助する事業を年度ごとに実施してきました。
補助の対象や金額、申請の流れは事業ごと・年度ごとに細かく異なり、事業自体の名称や内容も数年おきに見直されています。ホームインスペクションの実施やリフォームを検討している場合は、その時点で国土交通省や自治体が実施している補助金制度の有無・要件を事前に確認することをおすすめします。
調査会社を比較する際のポイント
ホームインスペクションをやってくれる会社は、現状でもかなり多くの数があります。
業種も一級建築士事務所や不動産会社、リフォーム業者、JSHI公認インスペクターなど多彩ですから、どこに依頼をすればいいのか迷います。
そこで、押さえておきたいポイントを4つ挙げてみました。
実績が豊富なこと
中古住宅の状態は千差万別です。築年数の違いや、建物の構造の違い、使われている材料の違いなどが一戸一戸まったく違います。これらの条件をクリアーして的確な診断を下すためには、かなり経験値が必要です。
過去の実績をストレートに聞くことと、インスペクションを依頼する建物の工法に詳しいかなどを判断基準にしましょう。
コミュニケーション能力が高いこと
診断終わっても、媒介契約をしている不動産業者や買主に対する説明などがありますから、コミュニケーション能力が高くないと上手くいきません。
高圧的な態度や、信頼関係を崩すようなことをしないインスペクターを抱えている会社を選びましょう。
説明が丁寧であること
まだ正式に契約をする前の段階で、このことは分かります。専門用語をやたら繰り出してきたり、面倒くさそうに対応するようなインスペクターや営業担当を抱えているような会社は敬遠した方が無難です。
あまりに安い料金に注意
余りにも料金が安いということは、何か裏があると思った方が賢明です。例えば、経験値がないので能力に自信がないとか、他にもさまざま考えられます。
やはり、適正料金できちんとした仕事をしてもらうことが一番大切なことになりますから、現状ではあまりにも安い料金設定の会社は避けた方が無難です。
それと、リフォーム会社がやっているホームインスペクション部門の場合とか、リフォーム会社と癒着している会社の場合、その場でさまざまなリフォームを勧めてくるケースがありますから、注意してください。
ホームインスペクションの場合、絶対的に第三者性を堅持していなくてはいけませんから、このようなケースはあってはならないことです。









