住宅ローン返済中でも家は売れる?抵当権抹消と任意売却の基礎知識

住宅ローン返済中でも家は売れる?

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「住宅ローンの支払い中ですが、それでも売却することはできますか?」このような質問をされることが多々ありました。

結論からいえば、住宅ローンの支払い中でも売却することは可能です。ただしそれには条件があります。

その条件とは、売却した金額が住宅ローン残高を上回る必要があります。つまり住宅ローンが2500万円残っているのであれば、その物件が2500万円以上で売れることが条件となります。しかし例外として2000万円でしか売れない場合でも、残りの500万円を現金で持っていれば売却することは可能です。

※本記事の情報は2026年7月時点のものです。

なぜ住宅ローンを完済しないと売れないのか

住宅ローンを組むときには、購入する不動産に「抵当権」という担保権が金融機関によって設定されます。これは、万が一返済が滞った場合に、金融機関がその不動産を差し押さえて競売にかけ、貸したお金を回収できるようにするための権利です。

この抵当権が設定されたままの不動産は、買主にとってはいつ差し押さえられるか分からない危険な物件ということになりますから、通常の売買では買い手がつきません。そのため、不動産を売却するときには、決済(引き渡し)と同時に住宅ローンを完済して、抵当権を抹消する登記(抵当権抹消登記)を行うのが一般的な流れです。

実務上は、買主から受け取る売却代金と自己資金を合わせて、決済日当日に金融機関へローンの残債を一括返済し、その場で抵当権抹消に必要な書類を受け取って、司法書士が所有権移転登記と抵当権抹消登記を同時に行います。売主が抹消費用や登記費用を事前に用意しておく必要はほとんどなく、決済の流れの中で処理されるのが一般的です。

売却額で住宅ローンを完済できない場合はどうなる?

先ほども言いましたが、売却額が住宅ローン残債に届かなくても現金の持ち合わせがあれば、何も問題なく売却可能です。

しかし、現金が用意できないとなると話は別です。

2500万円の残債務があるのに、2000万円でしか売れない。当然500万円がショートします。

この500万円を現金で用意できないのであれば、俗に言う「任意売却」という選択肢を選ぶしかありません。

任意売却は、住宅ローンを貸してくれている融資先(債権者)の合意を得たうえで、抵当権を抹消してもらい、通常の不動産市場で売却する方法です。売却後に残った債務については、金融機関と相談のうえ、無理のない範囲で月々分割して返済していくことになります。

任意売却は、何もせずに滞納を続けて競売にかけられてしまうよりは、市場価格に近い金額で売れる可能性が高く、引っ越しの時期をある程度自分で調整できるなどのメリットがあります。ただし、任意売却を行うということは、住宅ローンの返済が延滞している状態であることが前提になるため、信用情報機関に事故情報として登録(俗に言う「ブラックリスト入り」)されてしまいます。

この事故情報は一定期間(一般的には5年から10年程度とされていますが、登録される信用情報機関や状況によって異なります)は消えないため、その間は新たにローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることが難しくなります。安易に選択するのではなく、まずは金融機関への返済条件の見直し相談や、家計の見直しなど、他の選択肢がないかを十分に検討したうえで判断することが大切です。

任意売却を避けて、少しでも家を高く売る方法はこちらのページで解説しています。家の売却金額でローンを完済できない人は、ぜひ一度チェックしてみて下さい。

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買い換えなら住宅ローンが残っていても大丈夫!

もし今の住まいが手狭になったりして、買い換えを検討しているのであれば、住宅ローンが残っていても大きな問題とはなりません。

買い換えであれば、新しく購入するときに住宅ローンを再度組みなおすことになると思いますが、その予算に今の住宅ローンの残債を組み込むことができる商品があるからです。

俗に言う「買い換えローン」と呼ばれている商品です。

簡単に説明するなら、2500万円の住宅ローンが残っているとします。今の持ち家が2000万円で売却できました。そうなると500万円がショートしてしまいます。この500万円を新しく購入する家のローンに上乗せして借り入れることができるという仕組みです。

ただし、買い換えローンにはいくつか注意点があります。まず、新居の購入代金に加えて旧居の残債分まで借りることになるため、借入総額が大きくなり、月々の返済負担も重くなりがちです。金融機関によっては、年収に対する返済負担率の基準から、希望する金額を借りられないケースもあります。

また、買い換えローンを利用する場合は、旧居の売却契約と新居の購入契約、それぞれの決済のタイミングを合わせる必要があるため、通常の買い換えよりもスケジュール調整が難しくなる傾向があります。売却が決済にいたる前に新居の契約を進めてしまうと、いわゆる「ダブルローン」(旧居と新居、両方のローンを一時的に同時に抱える状態)になってしまう危険もあるので注意してください。

売却と購入のタイミングがどうしてもずれてしまう場合には、金融機関の「つなぎ融資」を利用して、売却代金が入金されるまでの一時的な資金を確保するという方法もあります。いずれの場合も、事前に取引金融機関や不動産業者に相談し、無理のない資金計画を立てておくことが重要です。