境界線を越境している訳あり物件を売却する際の注意点

境界線を越境している訳あり物件を売却する際の注意点

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一戸建ての不動産を売却するときにある問題のひとつに、隣家との境界線の問題があります。どちらかの家が何らかの理由で境界線を越えている、いわゆる越境の問題です。

越境は地面だけの問題ではなく空中の問題もありますし、地面の下を木の根が通って隣の敷地に出てしまったなどということもあります。境界は、地面に境界線がきちんと引いてあるわけではないので、分かりづらいこともあります。

このような越境に関わる問題を、分かりやすく解説していきます。

越境問題が発生する原因

越境問題が発生する代表的な原因にはどんなことがあるのでしょうか?

主な原因としては3つあって、敷地の境界線付近に占有物が存在する場合、現況の境界線が公法上の境界と異なる場合、境界票を破損・移動・撤去した場合です。

それぞれどんな事なのか、内容を見ていきます。

敷地の境界線付近に占有物が存在する場合

まず境界線付近に占有物が存在するケースですが、よくある事例としては6つあって、それは以下のとおりです。

  • 庭木の枝葉が塀を超えているケース
  • 隣家の敷地に通じる空中に引き込み線などが越境しているケース
  • 上下水道やガス管などが境界線の地下部分で越境しているケース
  • エアコンの室外機や架台、排水設備などが境界線上にあるケース
  • 建物の軒先やレンジフードのような付属物が境界線上にあるケース
  • 建物や塀などの構造物が境界線上にあるケース

これらのケースは直接的な境界線に関するトラブルではありませんが、解決する場合には土地の境界「筆界(ひっかい)」と「所有権界」が関係してきます。

筆界は公法上の境界とも言われ、法務局に登記されている地番と地番の境になります。個人の意思で勝手に変更することはできません。

所有権界は私法上の境界とも言われ、土地の所有権が及ぶ範囲の境になります。隣人との取り決めで自由に設定することができます。

現況の境界線が公法上の境界と異なる場合

現況の境界線が公法上の境界と異なる場合ですが、よくある事例としては4つあって、それは以下のとおりです。

  • 越境部分の土地を買ったが登記手続きをしていないケース
  • 自分の親と隣家の親の間で敷地範囲を話し合ってその当時の状況で取り決めをしたケース
  • お互いの所有地の一部を交換して書類も作成したが登録手続きをしていないケース
  • 公図上の境界線が屈曲しているので隣家と相談をして直線になるようにしたケース

どのケースも土地所有者同士が了解していれば問題にはなりませんが、公簿上の手続きをしていないと相続や売買の時に問題になります。

境界票を破損・移動・撤去した場合

境界票とは境界線の端と端に設置されていて、境界線を明確するものです。境界票が不明になる原因としては、リフォームや道路工事によるケースが多く、越境トラブルの中でも数が多い方です。

境界票を破損・移動・撤去した場合の、よくある事例としては3つあって、それは下記の通りです。

  • ブロック塀などを作る時に工事業者が境界票を壊してしまったケース
  • 家を建て替えるので解体工事をしたときに一緒に境界標を撤去したケース
  • 道路工事をしたときに道路部分にあった境界票を撤去されてしまったケース

以上が越境問題が発生する原因になります。次に問題を解説する方法について解説していきます。

越境問題を解決するには?

前にも書きましたが、土地の境界には筆界と所有界があるので、問題を解決する方法も異なってきます。筆界をめぐるトラブルは土地の売買に絡んだり、家の建て直しの時に、始めて発覚するケースが多いです。

筆界は素人では手におえない部分がたくさんありますから、やはり弁護士や司法書士などに依頼をして、解決を図ることが必要になります。しかし、平成18年1月から筆界特定制度が始まっているので、これを利用してトラブルの解決をする方法もあります。

筆界特定制度とは、筆界特定登記官が法務局長から任命された土地家屋調査士・弁護士・司法書士(筆界調査委員)の意見を聞き、現地の筆界位置を特定する不動産登記法上の行政制度です。

筆界特定制度を申請できるのは、土地の所有者である登記名義人になります。申請人から資料を提出させて、筆界調査委員の意見を踏まえて出した結論ですから、それを不満として境界訴訟をおこしても高確率で同じ境界になります。

個人で弁護士に依頼をするとかなり高額な料金になりますが、筆界特定制度を利用すれば比較的安い料金で済みます。

境界を特定するまでの期間は6ヶ月を目途にしていますが、申請人が出した資料が少ないなどという理由で、1年、あるいはもっとかかってしまうこともあります。

しかし、だいたいのケースでは裁判をするよりもスピーディーに結論が出ますから、トラブルの早期解決を望めます。

所有界は個人で解決できますが、越境問題にも所有権に関する時効が発生します。越境をしていても、あるいはされていても、「越境部分を所有する意志があって平穏かつ公然と20年占有していた場合」ですが、所有権が移ってしまうことがあります。

他人のものだとは知らなかったなどというように悪意や、過失もなく越境をしたりされたりしている場合でも、10年で時効は成立します。

このようなことが起きないようにするためには、やはり書面に残しておくことが必要になります。時効取得を主張しないことなどを、きちんと書面にして残しておくことで、多くの場合はトラブルを防げます。

筆界特定制度に関しては、法務省のページで詳しく解説しているので、参考にしてください。

越境は告知義務に入るの?

不動産の売買には、境界の明示という項目が義務化されていますから、越境も告知義務に入ります。つまり、重要事項説明書にきちんと明記する必要のある事項です。

この告知をしないで売ってしまった場合、境界明示義務違反に問われ「契約の本旨に従った履行をしなかった」というケースになりますから、債務不履行による損害賠償責任が売主に発生することがあります。

越境がもとで買主と隣家の間でトラブルが発生した場合、売主は損害賠償をしなければなりません。また、告知義務を無視して物件売買をすると、媒介契約をした不動産業者も責任を問われます。

越境問題を隠して売られた物件に関して大阪高裁で出た判決に、「仲介業者は、売買対象土地の範囲が不明確な場合はその境界を明示して買主に土地建物買受の目的を達成させ、損害の発生を未然に防止する義務がある」という判例があります。

もし、売りたい物件に越境問題があれば、事前に解決しておくことが一番望ましいのですが、最低でもきちんと告知しておかなくてはいけません。

越境問題がある家を売るには

本来、越境問題があると家の売却は非常に難しくなります。越境問題のない物件でも、売ることは買うことよりも難しいので、そこに越境問題が絡むとさらに難しくなります。

越境問題がある時には、売主が考えていた境界が、地積測量図などの資料と整合性があるかどうかを判断したり、越境部分を家の建て替えの時に取り除くなどの手続きをしなければなりませんから、手間がかかります。

また、このような話し合いに隣家が応じてくれればいいのですが、そうではない場合には何らかの方法で問題を解決しないと売ることが出来ません。

したがって、一般的な不動産業者ではなく、このような訳あり物件を得意としている業者を探した方がスムーズに売却が進みます。一括査定サイトを利用すると、訳あり物件が得な業者を見つけることが出来ますから、利用してみるのがおすすめです。

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