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家の売却をしようとしたときに、気になることの1つに税金があります。家を売却するとどんな項目の税金があって、それぞれいくらぐらいの金額になるのか非常に気になります。
しかし、家の売却を経験した人は圧倒的に少ないので、家の売却に絡んでくる税金のことを知らないほうが普通です。
しかしどんな税金がどのぐらいかかってくるのか、それとどんな諸費用が必要なのかを知っておかないと、いざ家を売った時に困ることもありますから、ここでは家を売る際に必要な税金と諸費用について分かりやすく説明をしていきます。
売却時の税金一覧
家を売却したときにかかる税金は4項目あって、それは以下の通りです。
- 所得税と住民税
- 印紙代
- 消費税
- 登録免許税
この他に「固定資産税」の清算を、売り主と買主の間で行います。固定資産税はその年の1月1日の時点で物件を所有している人に掛かりますから、年の途中で物件を売却した場合には、買主が売り主に対して日割り計算をして算出した固定資産税の金額を支払います。
では税金4項目について、内容をみていきます。
所得税と住民税
所得税は物件を売買したときに売却益が出ているとかかります。物件を売却したときにでた売却益を「譲渡所得」といって、課税対象になるのでこれを課税譲渡所得といいます。
課税譲渡所得の計算方法ですが、次の通りです。
課税譲渡金額=譲渡額-(取得費+譲渡費用+特別控除額)
取得費とは物件を購入したときの物件価格で、物件購入金額です。
譲渡費用とは媒介契約をした不動産業者に支払う仲介手数料、境界を明確にするために測量をした場合の費用、賃貸物件だった場合には立退料などの合計を言います。
特別控除額は、自分の住んでいた物件で、マイホームを売却した場合には最高で3,000万円、国や自治体が公共の目的で買い上げるような収用の場合だと最高で5,000万円を計上できます。
次に税額の計算です。
実は課税譲渡額に掛かる税率には2通りあります。1つは所有期間が5年以内の短期所有で、もう1つが所有期間5年以上の長期所有です。それぞれの税率は、短期所有の所得税が30%で住民税が9%、長期所有の所得税が15%で住民税が5%になっています。
それとマイホームを売却した場合に、税率の特別軽減措置が受けられるケースがあって、物件所有期間が10年を超えている場合に適用されます。
3,000万円の特別控除を適用した後の譲渡所得金額6,000万円までの部分に所得税10%と住民税4%、6,000万円を超える部分に対して所得税15%と住民税5%という税率軽減措置を受けられます。
印紙代
不動産の売買契約書は課税文書になりますから税金を納めなくてはいけませんが、納付を現金ではなくて書類に添付する印紙で納めるため、印紙代といいます。
通常契約書は売り主と買主がそれぞれ1通ずつ保管しますから、自分が保管する分の契約書に添付する印紙代はそれぞれが負担します。
なお平成26年4月1日から平成30年3月31日までに作成した契約書に関しては、軽減税率が適用されます。
軽減税率は以下の通りになっています。
契約金額 | 本則税率(単位円) | 軽減税率(単位円) |
---|---|---|
10万円超50万円以下 | 400 | 200 |
50万円超100万円以下 | 1,000 | 500 |
100万円超500万円以下 | 2,000 | 1,000 |
500万円超1,000万円以下 | 10,000 | 5,000 |
1,000万円超5,000万円以下 | 20,000 | 10,000 |
5,000万円超1億円以下 | 60,000 | 30,000 |
1億円超5億円以下 | 100,000 | 60,000 |
5億円超10億円以下 | 200,000 | 160,000 |
10億円超50億円以下 | 400,000 | 320,000 |
50億円超 | 600,000 | 480,000 |
消費税
消費税は、媒介契約をした不動産業者に支払う仲介手数料に対して発生します。それと、あまり現実的ではありませんが、不動産業者に仲介を依頼しないで自分で売買したときには仲介手数料は発生しません。
登録免許税
登録免許税とは、登記にかかる税金です。売買契約が成立して決済が済むと、所有権移転手続きをするときにかかりますから、普通は買主が負担します。
登録免許税額は物件価格に登録免許制の税率を掛けて求めますが、住宅用家屋の場合だと軽減税率が適用されることがあります。
ただし登記申請をするときに、その物件が所在している自治体の証明書を添付しないと適用不可で、後から証明書を出しても受け付けてもらえません。
売却時の諸費用一覧
前項では物件売却にかかる税金について説明をしましたので、ここでは税金以外に掛かる費用について説明をしていきます。
物件売却にかかる税金以外の主な費用は7項目あります。中にはかからないケースのある項目もありますが、このような費用項目がありますので内容をみていきます。
仲介手数料
家の売買をするときには、不動産業者と媒介契約をして買主を探してもらうことが一般的です。不動産業者の働きで売買契約が成立すると、仲介手数料を支払うことになります。
不動産業者が受け取れる仲介手数料は宅地建物取引業法、通称宅建業法によって上限が定められています。それは次の通りです。
- 取引金額が200万円以下の場合:取引額の5%
- 取引額が200万円超400万円以下の場合:取引額の4%プラス20,000円
- 取引額が400万円超の場合:取引額の3%プラス60,000円
このように上限が決められていますので、これ以上請求されることはありません。
登記費用
買主が売買代金の決済をしてくれると、所有権移転登記をします。この時に登記費用が発生しますが、通常は買主が負担します。
ちなみに売り主が負担する部分もあって、それはローンの残債があって抵当権が設定されている場合と登記簿上の住所が現住所と違う時です。
費用は抵当権抹消も住所変更登記も1件1,000円ですが、自分では難しいため司法書士に頼むことが普通なのでその費用が1件10,000円以上かかります。
ローン返済費用
住宅ローンに残債がある場合ですが、一般的には売却するときには清算しておく必要があります。
住宅ローンの残債を一括返済する場合には、手数料が発生します。手数料は金融機関やローンの種類によっても違いますが、通常は数万円程度の費用が掛かります。
リフォーム費用
建物がかなり古い場合ですが、不動産業者にリフォームをしてから売却活動をすることをすすめられることがあります。
どの程度のリフォームが必要なのかはケースバイケースになりますから、金額もリフォームの規模によって変わります。ただし買主が望んでいるリフォームでなければ、あまり喜んではもらえませんし、取り壊して新築にしようと思っているケースもあります。
不動産業者と相談をして、リフォーム代金や解体代金の半額程度を値引きしてあげたほうが喜ばれることも多々あります。
そのためリフォーム代ではなく、値引き金額が必要経費になることもあります。
ハウスクリーニング費用
建物が築浅の場合ですと、現状渡しがほとんどです。しかしいくら現状渡しとはいっても、自分で掃除をした程度で引き渡すよりも、キッチンや浴室、トイレなどのプロにお願いしたほうが良いような場所もありますから、数万円の費用を見込んでおきましょう。
測量費用
隣家との境界がはっきりしていないケースの場合、測量をして確定しなくてはいけない場合もあります。
このような場合になると測量会社に依頼するのですが、面積が120㎡程度で隣接民地3軒という条件だと、だいたい30万円前後の費用が掛かります。
ちなみに測量で境界の確定が出来たら、隣接している家の人と確認をしあって了解してもらったことを書面に残しておくとよいでしょう。
引っ越し費用
住んでいた家を売却して引き渡すわけですから、引っ越し費用がかかります。引っ越し費用は規模と距離などで変わりますから、見積もりをとってもらって調べておくといいと思います。
以上が、家を売る際に必要な税金の計算方法と諸費用の解説になります。意外と税金や費用がかかるので、売却価格に目がいきがちにならないように、注意が必要です。