田舎の林や森などの山林を売却する方法は?

田舎の林や森などの山林を売却する方法は?

山林をもともと自分で持っている人はあまりいないと思いますが、、親から相続したなどというケースで、売却を検討している人もいると思います。

果たして売却が可能なのかどうか、売却が可能だとしたらどうやって,どこに依頼をすればいいのかなど、分からないことがたくさんあります。それに、売却をするときの価格の相場はどの程度になるのかという疑問もあると思います。

そんな疑問が少しでも解決できるように、山林の売却について説明をしていきます。

山林を売却する方法

山林売買には農地の売買のような法律による規制はありませんから、売りたい人と欲しい人がいれば、売買は成立します。ただ、売却物件の面積によっては、価格や取引の目的に関して「国土利用計画法」の適用を受ける場合があります。

国土利用計画法の適用については、仲介する不動産業者に聞けば適用範囲などについては、詳しく教えてくれます。

売却する際の問題点としては、山林にあまり価値がない場合があることです。それと、存在している場所によって、価格がかなり違ってくるということがありますから、山林売買の仲介に慣れている不動産業者を選任することが、山林を少しでも高く売却する方法だといえます。

売買予定の山林の価値を決める条件や、山林売買に係る問題点をみていきます。

山林の価値を決める条件

山林の多くは、土地自体に価値があるというよりも、山の状態やロケーションなどで価値が決まるといいます。

価値を決める主な条件としては4項目あって、それは次の通りになり、山を丸ごと売却するときの、大きな評価基準になります。

項目別に内容をみていきます。

山林に育っている樹木の品質

樹木の品質を評価する基準として樹形と樹姿があります。
樹形とは樹種の特徴に応じた、自然な樹形をしていて形が整っていると高い評価になります。

樹姿とは樹の元気が良くて根がしっかり発達していることや葉の色や形、それに密度が正常であることが評価ポイントになります。それと樹皮に損傷がないことや、枝がしっかりした状態であることなども評価のポイントになります。

総合的にいって、樹高・枝張り・胸高直径・根回り直径などの状態を総合的に見て、樹木の品質を評価します。

山林に育っている樹種や樹齢

山林に育っている樹種が需要の多いパルプ・チップ用、あるいは製材用で需要の多いスギやヒノキなどは価値が高くなります。あるいはマツやヒノキ、カエデ、トチ、クスノキ、ナラなどのような一枚板や神社の柱に使われるような樹種で、伐採可能な樹齢の木が多いと高評価になります。

山林の手入れ(間伐)の状態

間伐(かんばつ)といって、育てたい樹と樹の間が窮屈になって成長の妨げにならないように、劣勢な樹や欠点のある樹を切って、正常に成長できるような作業がきちんとされていると、高評価になります。

山林へのアクセス(道路状況など)

いくら人気の高い樹種が育っていてきちんと手入れがされた山林でも、伐採した樹を運び出すためには輸送手段が必要です。そのため、山へのアクセスが良くなければ、評価は下がってしまいます。
理由は、山林を買った人が道路を造らなくてはいけなくなる可能性があると、道路の建設費用に相当する金額を値引かれる可能性があるからです。

山林売却の問題点

一般的な土地の売買よりも山林の売却には、さまざま難しい問題点が出てきます。どの問題も山林だからということが原因なのですが、知っておかないと売却に支障をきたすこともあるので、注意が必要がです。

主な問題点は3点あって、それは次の通りになっています。

山林の面積を把握しづらい

山林にも登記簿がありますから、法務局で管理されています。登記簿には当然ですが、当該山林の面積も記載されています。しかし、実は必ずしも正確だとは限りません。

地形が複雑で、面積が大きいことが原因で誤差が生じているようです。そこで、山林簿や山林計画図を併用するのですが、誤差の埋め合わせができるほどまではいかないことが普通だといいます。

もともとの面積が広大なので、わずかな誤差といっても実際の面積はかなり大きなものになってしまいます。

では、測量をやり直して新たに実測値をだせばいいのではと思いますが、山林の測量をするためにはかなり大きな費用が掛かりますから、費用対効果の面ではあまり意味のないことになってしまいます。

山林の測量費用は100万円を超すことがほとんどなので、売り主の売却益や買主の取得費用に大きく影響してしまいます。

そのため、登記簿に記載されている公簿面積で取引をされることが一般的です。登記簿の面積が実際よりも大きければ買主が、小さければ売り主が得をすることになりますが、それに対して異議を唱えないことが通例です。

市場が小さく未成熟

山林売買は取引の件数自体が少ないため、市場自体が非活性な状態になっています。そのため、山林を扱っている不動産業者が非常に少ないので、余計に市場が育たないという、ある意味では悪循環になっています。

このため山林を売却しようと思っても、簡単は買主が現れないということをある程度覚悟しておく必要がありますし、買主が現れてもなかなか成約には至らないことも覚悟しておく必要もあります。

不安定な相場

市場が小さく未成熟だということは、相場がないような状態だということを示しています。つまり、売買価格自体が当事者同士の気持ちや事情次第という感じになりやすいことになっています。

山林を売りたいという売り主は、買主が現れただけでもありがたいということになってしまいがちなので、条件交渉は買主のペースになることが多いようです。

それと、山林の価格は樹種やその樹齢によってかなり大きく変動しますから、樹木と山林の地価とは連動しないことも相場が安定しない大きな理由になっています。

山林を売却する際の流れと手続き

前述のように山林自体、物件仲介をする不動産業者が少ないので、売却が難しい物件です。しかし、森林組合や森林組合連合の中には、斡旋サービスをしている組織もありますから、山林売買のマッチングをしてくれるケースもあります。

この斡旋サービスは全国規模ではなくて、組織が管轄している地域の物件に限られますけれど、情報を閲覧する人は山林に興味のある人なのでそれなりの効果はあります。

不動者業者を経由して売却する際の流れ

不動産業者の中には、山林を仲介物件として扱っているところもあります。その場合の売却の流れですが、7つのステップがあります。

打ち合わせ

山林の規模や希望売却金額などの打ち合わせ。

売却希望物件の調査と査定

樹種や樹齢などから物件査定額を算出、必要あるいは希望があれば測量も。

現地見学(一般住宅の内見)

購入希望者を現地に案内して、樹種・樹齢・面積や伐採した樹木の搬出経路などを見てもらう。

価格交渉と買い付け証明書

購入希望者が現地見学をして物件に納得をすると、価格交渉。その後価格が決まると購入希望者が買付証明書出して申し込みになる。この時に重要事項の説明も行う。

ローン申し込み

買主がローンを組む場合はこの時点で申し込む。

売買契約を締結する

売買契約書を取り交わして、買主が手付金を支払う。

売買金額の決済と名義変更

ローンが下りたら売買金額の決済をしてもらってから、名義変更。

仲介の不動産業者が介在した場合、山林売却の流れはこのような手順になります。

土地境界を確認するには?

前にも書きましたが、山林の面積を正確に把握するのは難しいです。そのため、土地の境界の把握も難しくなっていて、境界トラブルの原因にもなっています。

しかし、まったく境界の把握ができないわけではありません。山林の境界を確定する方法は主に3つで、以下の通りになっています。

地籍図によって確認をする

登記簿謄本をもとに管轄法務局で地籍図をもらいます。地籍図を基にしてGPSで現地確認をすると、境界が分かりやすくなります。地籍図ではなく森林計画図の場合もGPSで境界を確認しますが、難易度は高くなります。どちらの場合も境界確認後に境界杭などで、しっかり境界を明示しておきます。

第三者を介して境界を確認しあう

公図をもとにして役所や森林組合で隣接している山林の持ち主を調べて、地元の総代をしている人や山林の事情や林層に詳しい人に同行してもらって、境界を確認し合います。確認後書面を取り交わして、境界杭を打って明確にしておくことが必要になります。

測量をして境界を確定する

かなり出費になりますが測量会社を使って、公図をもとにして実測値を出して境界を確定します。もし、境界を巡ってトラブルになっている場合には、費用を分担することも話し合ったほうがいいと思います。

売却価格の相場

前にも書きましたが、山林売買には相場らしいはっきりとした価格はありません。

売買価格は山林が存在するロケーションや山に育っている樹種と樹齢などで、かなり大きく変わってしまいます。

そのため、坪100円の山林もあれば、坪10,000円以上の山林もあるというのが現状です。そんな中でも一番多い価格帯は、坪1,000円未満になっています。ちなみに、山林の価格を表すときには〇円/坪ではなく、〇円/㎡で表す習慣があります。

山林が存在するロケーションとして単価が高いのは都市近郊林地、次が農村林地、そして林業本場林地、山村奥地林地と続きます。

都市近郊林地は1,000~4,999円/㎡が一番多い価格帯です。次の農村林地ですが半分以上が300円/㎡で、最高値でも1,000円/㎡未満です。

林業地林地になると、買主が個人の場合が多いためにさらに低価格になって、100円/㎡未満に集中。買主が個人以外の場合でも300円~500円未満 /㎡までになっています。

山村奥地林地の場合だとやはり100円未満/㎡がほとんどで、高くても300円未満//㎡といったところです。

売却する際の注意点

山林売却の注意点ですが、境界をはっきりさせなくてはいけません。「土地境界をはっきりさせる」の項で書いたような方法で境界をはっきりさせておかないと、売却後にトラブルになる可能性があるからです。

税金を申告する際の注意点

それと税金の申告に注意する必要があります。山林を売却したときの税金ですが、山林所得と土地譲渡所得の2種類に分けて申告をします。

なぜ2種類に分けるのかという理由ですが、山林に育っている樹木は伐採して売買することができるし、立木のままで売買することも可能なので、土地とは別に存在しているという解釈をされるからです。

山林所得

山林所得は、当該の山林取得から5年以上経過している場合に発生します。山林所得は分離課税になっていますから、他の所得とは違う税率で計算されます。計算式は次の通りです。

課税山林所得=山林所得-特別控除額(最大50万円)
山林所得=売却金額-必要経費

場合によっては、さらに青色申告特別控除額(最大10万円)を控除できます。

そして山林は相続で取得するケースが多くて、必要経費が不明な場合が多いでので、計算方法は以下の式になります。

必要経費=(売却代金-伐採・譲渡費用)×50%-伐採・譲渡費用

この式で計算するには、特例を受ける必要があります。15年前の12月31日以前に取得した場合や相続時点が15年前ではなくても、被贈与者の取得が15年以上前のケースが特例の条件になります。

こうして算出した必要経費の数値を、山林所得課税額の計算式に当てはめて計算すると特例措置を受けたときの課税山林所得が算出できます。そして山林所得税額を計算できます。

山林所得税額=課税山林所得×1/5×所得税率(短期・長期)

所得税率は所有期間5年以内の短期所有の場合は39.63%、5年以上の長期譲渡所得の場合だと20.315%です。

土地譲渡所得

土地譲渡所得も分離課税になっています。基本の計算式は次の通りです。

課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除額
譲渡所得=売却代金-譲渡費用-取得費

次に課税額の計算ですが、以下の通りです。ちなみに、課税率は山林所得と同じです。

譲渡所得税額=課税譲渡所得×所得税率(短期・長期)です。

保安林に指定された土地は売却できる?

よく保安林という言葉を聞くことがあります。保安林とは、森林の公益的な機能の発揮を目的にして国が伐採などの特定の制限を課した森林のことです。この保安林を売却することは可能なのか、という疑問があります。

答えからいうと、売買は自由にできます。ただし、買主が見つかるかどうかは、大変難しいと思います。理由ですが、保安林に課せられた様々な制限はそのまま残るからです。

樹木の伐採や間伐、土地の形質変更などをするときには、事前に各都道府県知事の許可が必要になるなど大変な手間がかかりますから、保安林を買ってメリットがあるのは税制ぐらいなので、買う意味があまりないためです。

ここまで、田舎の林や森などの山林を売却する方法を解説してきました。山林はなかなか買い手が見つかりにくい土地ですが、売却できないことはありません。

山林を早く売却したいのなら、森林組合などの斡旋サービス、山林を高く売りたいのであれば、山林売買が得意な不動産業者を利用するとよいでしょう。

一括査定サイトなら、簡単に山林売買が得意な業者が見つかるのでおすすめです。