自宅をAirbnbを使って民泊施設として貸す際の問題点は?

自宅をAirbnbを使って民泊施設として貸す際の問題点は?

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最近よく「Airbnb(エアービーエヌビー、エアービーアンドビー)」という言葉を聞くことがあります。Airbnbとは簡単にいうと、自宅の余っている部屋を外国人旅行者に宿泊施設として有償提供する、民泊になります。

Airbnbをやってみようと思った時に、やはり何か問題点があるのではないかとか、どうやってやれば良いのかなどという疑問もあります。Airbnbについて、さまざまな情報や疑問について分かりやすく説明をしていきます。

Airbnbとは

Airbnbとは、2008年に米国のカリフォルニア州のサンフランシスコで始まったものです。Airbnbの概略ですが、海外旅行者に現地で自宅の余っている部屋や使っていない施設を貸したいという人をジョイントする、いわゆるマッチングサービスです。

Airbnbの情報は、パソコンはもちろんですが携帯やタブレットにも掲載されていますから、旅行者は簡単に希望する宿泊先を見つけて予約できるという、コミュニティー・マーケットプレイスです。

Airbnbの運営システムは、宿泊施設提供希望者はAirbnbのホストになります。ホストになるとAirbnbに登録した情報を見て宿泊施設の提供を求めるゲストから、自分のプロフィールや到着と出発日時、それに宿泊人数を知らせて受け入れの承認を求めてきます。

ゲストの情報を見て受け入れの承認をすると予約が確定して、宿泊料金の3%をAirbnbに支払うという制度になっています。これを、ホスト手数料といいます。

このように、Airbnbは宿泊先を探している旅行者と、空いている部屋や施設を旅行者に有償提供したい人を、信頼関係で結びつけています。

Airbnbは世界191ヶ国、65,000都市と繋がっているので、旅行者が希望する宿泊先を上手くマッチングさせてくれます。通算ゲスト数は15億人以上といいますから、潜在的なゲスト希望者はかなり多いといえるので、旅行者の希望もそれなりに多岐にわたります。

例えば、人に邪魔されたくないからアパートに3日間泊まりたいとか、高原のコンドミニアム的な部屋に10日間泊まりたい、などという希望のゲストもいます。

その他にも、ゲスト同士で情報交換をしたいから、シェアハウス的な感じのところが良いという人や、現地の人と交流を持ちたいから、やはり民宿のようなところが良いという人もいるので、どんな部屋でもAirbnbのニーズはあるようです。

そのため、自宅の余っている部屋を使った、割合に簡単にできる副業として日本でも注目されだしています。

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催がすでに決まっていますから、より注目度の上がっているのがAirbnbです。このような需要を見越して、中には賃貸物件を借りてAirbnbを始める人もいるぐらいです。

Airbnbのやり方

Airbnbをやるためにはどういう手順が必要なのか、手順にはどんなポイントがあるのかなどを解説していきます。Airbnbをやるために必要なことは、大きく別けると2つになります。1つはAirbnbのアカウントを作ることで、もう1つが部屋を登録することです。

それぞれのやり方について、説明をしていきます。

Airbnbのアカウントを作る

Airbnbのアカウントを作るためには5ステップが必要で、それは次の通りになります。

Airbnbにアクセスする

AirbnbのWebサイトからAirbnbのアカウント作成をクリックします

登録をする

登録をするためにはFacebook・Google・メールアドレスの3つの選択肢がありますから、どれかを選びます。FacebookやGoogleを選択した場合、登録した個人情報がAirbnbにそのまま反映されるので、いちいち登録しなくても大丈夫ですが、メールアドレスから登録をする場合は必要な項目を記入して、「始める」をクリックしてください。

顔写真を設定する

たまに猫や犬の写真を掲載する人もいますが、ゲストへの信頼度を上げるためには自分の顔写真を使うことをおすすめします。

電話番号を設定する

電話番号を設定する時に注意しなくてはいけないこととして、国際電話の番号を入力することです。日本の国際電話の番号は81から始まりますから、東京(03)の場合だと「81-3-○○○○―○○○○」と入力をしてください。この時に、市外局番の0は入れません。

最後にメールアドレスの確認をする

メールアドレスの確認のしかたですが、初めに自分のメールアドレスを送信します。次に送信先のメールアドレスに、メールアドレスの確認ボタンがありますからそれをクリックするとアカウントの登録が完了します。

部屋を登録する

部屋の登録は、ちょっと手順が多くて全部で11のステップがありますから、ステップごとに説明をしていきます。

ステップ1

Airbnbのアカウント上のダッシュボードにあるリスティングをクリックして、「新しいリスティングを投稿する」をクリックしてください。

ステップ2

自分が登録したい部屋のタイプを選択してください。アパート、一軒家などいくつかありますから、そこから選んでください。

ステップ3

次に寝室数、ベッド数、バスルーム数を登録します。この時にバスルームのカウントの仕方に注意します。シャワーとトイレに浴槽の3点が揃っていないと、1つとはカウントしません。どれか1つでも掛けていると0.5とカウントします。アメリカ的な数え方なので、注意して下さい。

ステップ4

部屋の紹介を登録します。部屋にはリスティングネームという名前を付けて、Airbnb内で検索をされるときのタイトルにします。上手なタイトルを付けると、閲覧数が増え収益につながりますので、リスティングネームを付ける時には注意してください。

ステップ5

住所を登録します。この時に、英語表記をしておかないと、漢字の読めない外国人にはまったく伝わりません。

ステップ6

設備を登録します。画面上にアメニティーグッズの一覧が出てきますから、揃っているものにチェックを入れてください。ゲストが使う、使わないは別にして、チェック項目の多い方が人気はあるようです。

ステップ7

部屋の写真を設定します。明るく、清潔に映るようにしてください。色も、明るい色調に人気があるようです。窓外の景色に自信があるようでしたら、それも取り込んで掲載すると良いと思います。

ステップ8

防災グッズを登録します。画面に防災グッズの一覧が出てきますから、装備されているものの全てにチェックを入れてください。

ステップ9

宿泊料金を登録します。宿泊料金は基本的にホストが自由に決められますが、同程度の宿泊施設の料金を参考にするといいと思います。また、季節に合わせて料金を変更して、閑散期を乗り切る工夫も必要です。料金設定は自由なので、柔軟に対応するのが収益を上げるポイントです。

ステップ10

予約方法を設定します。予約の種類は3種類あって、ホストの好みで決められます。ちなみに事前承認とスペシャルオファー、予約をリクエスト、今すぐ予約の3種類です。今すぐ予約は、ゲストがホストの提案している条件を満たしていると、ホストの承認なしで予約確定になります。

ステップ11

予約可能日の設定をします。予約可能日にも3種類あって、いつでも予約、時々予約、1回限りの3種類です。いつでも予約はホストが日付を指定しないで、常にゲストが予約できる状態です。時々予約は、どうしてもゲストを受け入れることが出来ない日にちがあるときに使います。1回限り予約は、ある一定の期間だけゲストを受け入れる場合に使います。

このような手続きを経て、Airbnbは開始することが出来ます。

Airbnbを始めるのにかかる費用

Airbnbを始めようと思った時に、気になることのひとつに初期費用とランニングコストがあります。

初期費用ですが、東京23区内に物件を借りて始めようとしたときには、家賃が20万円程度の物件を想定すると、不動産関係として仲介手数料、敷金と礼金で60万円~120万円。
部屋の装備や備品などで50万円~100万円前後ですから、初期費用としては110万円~220万円ぐらいが予想できます。

ここに挙げた金額の半分ぐらいの数字を出していることがありますが、実質的には、難しいと思います。例えば、部屋の備品ですが、一部屋だけだったらリサイクルショップなどで激安に揃えることもできますが、数部屋分を一度に揃えようと思うと、なかなか数が揃いません。

また、一部屋だけだとしても、リサイクルショップやヤフオクなどで揃えると、統一感のないインテリアになってしまいます。そうなると、ゲストが後でFacebookなどに悪評を書き込む可能性があり、新たなゲストを呼び込みづらくなります。こういったことを回避するためには、やはりある程度の初期投資は必要です。

また、ランニングコストですが、次のような項目になります。

  • 家賃:20万円
  • 清掃費:5000円
  • 備品・消耗品:2万円程度
  • 水道光熱費:2万円前後
  • ホスト手数料:売り上げの3%
  • 英語対応サービス:売り上げの20%

合計すると一部屋当たり、約25万円+売り上げの23%となります。この中で、自分で対応できることとして、清掃費と英語が堪能な場合は英語対応サービスがあります。しかし、複数の部屋を運営していると、全部を自分で対応することは出来ないので、ある程度のランニングコストは必要です。

Airbnbの稼働率は?儲かるの?

Airbnbの稼働率ですが、一概に全部の平均値を出してしまうとおかしな数字になってしまいます。というのも、本気でやっているホストと、片手間にやっている人が混在しているからです。調べてみたのですが、本気でやっているホストの方がどれぐらいいて、片手間の方がどの程度いるのかという資料は見つかりませんでした。

本気でやっている人たちの運営しているAirbnbの稼働率は、波はあるものの、悪くても70%を切ることはないという説もあります。参考値として、2014年の都内のAirbnb平均稼働率が63%だというデータもあるので、70%の数字も信頼性があるようです。

稼働率が高くても、最終的にAirbnbは儲かるのかという疑問があります。例として1泊8000円で、家賃7万円の1Kの部屋をAirbnbにした場合ですが、

家賃7万円+水道光熱費1万円+消耗品1万円+ホスト手数料3%

が1ヶ月の経費の合計です。これを元に、儲かるラインを計算をしてみました。1ヶ月の経費は9万円+ホスト手数料なので、12日間ゲストを確保できればだいたいプラス・マイナスゼロにもっていけます。つまり、稼働率が40%有れば赤字にはならないという計算になります。

仮に稼働率が80%あればホスト手数料を差し引いても、およそ9万円近い利益になりますから、利益としてはかなり良いといえます。

この例は1Kですが、例えば3LDKなどのように広い部屋になると、ゲストが友人同士でやってきて大勢が一度に宿泊するケースが多くなるので、家賃が高くて1泊あたりの単価が高くなるので、かなり利益が出るという計算もあります。

ただし、この計算では初期投資金額の償却と英語サービスを入れていませんから、それを入れると収益はもっと下がってしまいます。

Airbnbで儲けるには、立地条件とライバルチェック、充実をしたリスティングで情報提供、アメニティーの充実、ゲストとのコミュニケーションが必要になります。

Airbnbをやめるには?

Airbnbをやめるためには、Airbnbのアカウントをキャンセルして退会することになります。
退会をするためには3段階のステップを踏めば、簡単にできます。

まずAirbnb.jpでアカウントにアクセスをします。次に、設定をクリックして、最後にアカウントのキャンセルをクリックすることで、簡単に退会することが出来ます。

ただし、この操作をすると、この時点で受けていた予約などもすべて無効になってしまいます。この時点まで受けていた予約をそのままにして、ゲストを受け入れたいという希望があるのでしたら、アカウントをキャンセルする前にリスティングを無効にすると、一切の予約が入らなくなります。

受けていた予約をすべて消化してからアカウントをキャンセルすると、誰にも迷惑をかけないで退会することが出来ます。

リスティングを無効にする方法ですが、3種類の方法があります。

リスティングを無効にすることを、お休みモードにするといいますが、時限付き、一時無効、永久に無効の3種類です。この操作をしておくと、退会することをしないで一切の予約が入らなくすることが出来ます。

時限付きにする場合ですが、お休みにしたい物件のリスティング&カレンダー管理をクリック、左下のドロップダウンメニューでお休みを選択、開始日と完了日を入れると時限付きのお休みモードになります。

一次無効にする場合だと、無効化したい物件のリスティング&カレンダー管理をクリック、左下のドロップダウンメニューにある非公開を選択すると非公開になります。

最後に永久に無効にする場合ですが、無効化したい物件のリスティング&カレンダー管理をクリック、画面左にある基本を選択してから、画面最下部にあるリスティングの削除を選択することで、誰もリスティングを見ることが出来なくなります。

Airbnbのホストになる際の問題点

Airbnbを始める際に、何か問題点がないのか気なると思います。気になる問題点として、旅館業法などの法律に違反していないのか、運営上の想定されるトラブル、確定申告などがあります。

このような問題点や疑問に関して、分かりやすく説明していきます。

法律違反にならないの?

2015年9月に、政府は民泊を旅館業法で定めている簡易宿泊所という位置づけにしました。これまではグレーゾーンといわれていたAirbnbは、完全に旅館業法違反ということになりました。

しかし、国家戦略特別区域に指定された地域で、条例に従って運営することが、国家戦略特別地域法2条によって合法的になっていますので、この法律の範囲内で営業をすることは合法となりました。

国家戦略特別地域法の本来の目的は、指定されたエリア内に限って従来の規制を大幅に緩和して外国企業などの誘致をすることですが、規制緩和の中に旅館業法も含められているために、Airbnbもエリア内に限って合法化されました。

旅館業法緩和は、国家戦略特別地域法の中の「都市再生・街づくり」を推進するためのものなので、観光国日本を推進することが目的です。

観光国日本が推進されると外国から観光客がたくさん来日するので、各地の観光に係る産業が活性化して、雇用の確保と経済発展を見込めるためにAirbnbは必要だと認められています。

国家戦略特別地域法による指定地域は2014年発表以来、毎年少しずつ広がってきていて、今後も拡大していくもようです。

事件やトラブルの懸念

Airbnbにもトラブルはあります。例えば大家に無断でAirbnbをやってしまった場合などです。通常の賃貸借契約では、第三者に又貸しをすることは禁止されていますから、契約違反に問われます。

Airbnbをすることで外国人をたくさん泊めることになりますから、その行為が物件価値を下げたといわれて損害賠償を請求されることもあります。このようなことを避けるためには、必ず大家の了解を取って書面に残す必要があります。

他にも、外国人文化と日本人文化の差からくる問題が出ることもあります。夜中に大声で騒ぐような騒音問題、ゴミ処理の仕方が分からないための問題、ゴミ自体を窓からポイ捨てする問題などがあります。

部屋の器物破損をされたり、アメニティーグッズ自体を持っていかれたりするケースもあります。

もっと怖いのは、外国人犯罪者が一時的にでも拠点として使うようなケースも、十分に考えられます。気がついたら、警察官や麻薬取締官が大勢いきなり踏み込んできて大捕り物になったなどというケースです。ゲストが起こした失火の責任もホストが負うことになります。

Airbnbを運営することは、まったくリスクなしとは考えない方がいいと思います。ホストには、ホスト補償保険がありますから、最低限保険には加入した方がいいと思います。

税金や確定申告の必要性は?

Airbnbの確定申告について、まだ明確なルールが設けられていないという側面がありますが、本業でやっていれば最低でも個人事業者になりますし、サラリーマンが副業としてやっている場合でも雑収入に相当します。この為、Airbnbをやる際の確定申告は必要だと思っておいた方が賢明です。

確定申告とは収入をすべて明らかにして、支払うべき税金を確定するために必要なものですから、やっておかないと後から追徴税の請求が来る可能性があります。

確定申告のシーズンに入って税務署の窓口がごった返す前に、窓口に出向いて行って相談することをおすすめします。自分でやることが面倒でしたら、税理士に依頼することを視野に入れることも必要かも知れません。いずれにしろ、確定申告は必要だと思っておいた方がいいでしょう。

Airbnbの公式サイトはこちら

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