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家を売る動機はたくさんあります。「家族が増えて手狭になった」「違う場所に注文住宅を建てたい」「戸建てではなくマンションに住みたい」など、人によって理由は様々です。
でも、家を売るという行為を何度も経験している人は少ないので、売却方法を知らないのが当たり前です。物件の購入は経験したけれど、売却の経験は初めてというケースが多いのではないでしょうか。
そこで知っておいたほうがいいのが、家を売るための流れや注意事項です。ここでは家を売却するための流れと、売却時に注意するべきことを解説していきます。
売却の流れ
不動産売買は専門的な知識と経験が必要ですから、流れを守らないと後でとんでもないトラブルが起きてしまうこともあります。
そのために信頼できる不動産業者と媒介契約を取り交わして、買主を見つけることから売買契約締結までの流れをすべて任せることが一般的です。
しかしどのような流れがあるのか知っておかないと戸惑うこともありますら、売買契約締結までの流れを挙げますので、参考にしてください。
流れは基本的に8つのステップがあって、それは次の通りです。
- 不動産業者に物件の査定をしてもらう
- 不動産業者と媒介契約をする
- 不動産業者が販売活動をする
- 購入希望者の内見
- 買主と価格交渉
- 売買契約の締結
- 決済と登記
- 引き渡し
このような流れがありますので、内容をみていきます。
不動産業者に物件の査定をしてもらう
まず物件価格がどのぐらいなのかを知らなければ、本当に売ってもいいものなのかどうか決めることはできませんから物件の査定価格を出してもらいます。この時に、この地域にある同じような物件の相場価格も教えてもらってください。
査定価格ですが査定をする不動産業者によって、案外開きがあります。この開きですが査定をする人によって、基準が異なるので、1社だけの査定ではなく数社の査定を受けた方がいいと思います。
それと査定額は市況や物件の立地条件、その地域の人気の度合いなどで変化しますから、固定資産税の評価と同じにならないので注意して下さい。
不動産業者と媒介契約をする
物件の査定をしてくれた不動産業者のなかで、「これは」と感じた業者があればその会社に仲介を任せるために媒介契約を締結します。
媒介契約には3種類あって、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」がそれです。一般媒介契約は複数の不動産業者と契約締結ができますが、専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社としか契約をすることができません。
売却を考えている物件がよほどの人気物件だったら別ですが、普通は専任媒介契約か専属専任媒介契約をすることが望ましいといえます。
媒介契約をしたら、販売価格を不動産業者と相談して決めます。販売価格ですが高いと売れるまでに時間がかかることが多いし、売り急いで安くすると損をするので、バランスを考えて決定することがポイントです。
販売価格が決まると不動産業者はレインズという不動産流通標準情報システムに、依頼物件を登録します。専任媒介契約の場合は契約締結から7日以内、専属専任媒介契約の場合だと5日以内に登録をします。
レインズに登録をすると「レインズ登録証明書」が発行されます。証明書には固有のIDがあって、そのIDを使って自分が依頼した物件が確かにレインズに登録されていることなどが確認できます。
不動産業者の中には証明書が発行された後、登録を抹消して依頼者の「囲い込み」をする悪質な会社もありますから、たまにレインズのチェックをすることも必要です。
媒介契約の違いや、売主にとって不利益な囲い込みに関する詳しい解説は、こちらのページで行っていますので、気になる人はチェックしてみれ下さい。
囲い込みで両手仲介を狙う悪質な不動産業者の手口に注意しよう
不動産業者が販売活動をする
不動産業者は販売活動として、次のような活動をします。
- レインズへの登録
- 自社の顧客への紹介
- 自社ネットワークや不動産サイト、自社のホームページへ掲載
- 不動産情報誌に掲載
- 近隣へ広告チラシ(新聞の折り込みも含む)
依頼主と専任あるいは専属専任の媒介契約を締結した不動産業者は、依頼主に対して定期報告の義務があります。
専任媒介契約の場合は2週間に1回以上、専属専任媒介契約の場合だと1週間に1回以上の報告が依頼主に対して行われますから、前述の販売活動の効果についてチェックすることが必要です。
前回の定期報告から問い合わせ件数がどの程度伸びたとか、有力な購入希望者がどの程度いるのかなど、きちんとチェックをすることが必要です。
定期報告の時ですがFAXやメールの場合には、送られてきたデータを見ながら不動産業者と話をする必要があります。電話でもいいのですが、できれば2週間に1度ぐらいは直接担当者と会って打ち合わせをしたほうがいいと思います。
購入希望者の内見
問合わせからもう少し話が進展すると、購入希望者は物件を実際に見ることを希望します。不動産業者の担当者が立ち会ってくれますから、専門的な質問に対しては担当者が答えてくれるので安心です。
ただし空き家の状態で内見が行われるのではない限り、室内を明るく清潔に保っておかないと、購入希望者に対して印象が悪くなってしまいますから、売買契約が終わるまではいつ内見があってもいいようにしておくことがポイントです。
買主と価格交渉
内見の結果購入希望が具体的になると、価格交渉になることがほとんどです。売り主側はなるべく高く売りたいのですが、買主側は逆になるべく安く買いたいので売り出し価格がそのまま通用することはほとんどありません。
買主の中にはまるでブラフのような値切り方をしてくる人もいますが、売り主としては売り出し価格という上限を設定していますから、基本的には値下げ交渉に応じるほかはありません。
その程度の値下げまでだったら応じられるのか、価格設定の時に考えておく必要があります。
売買契約の締結
価格交渉が成立すると、売買契約を締結します。売買契約書は媒介契約をした不動産業者が、法的な要件を満たしたものを用意してくれますから、売り主と買主の双方でよくチェックして納得したら署名と押印をします。
ほとんどの不動産売買の場合ですが、買主側がローンを使うことがほとんどですから、この場合の売買契約には「住宅ローン特約」という停止条項が入っています。
これは買主が申し込んだローンの審査が通らなかった場合、無条件で契約を白紙に戻して手付金の返還を受けられるようにするための条項です。
こうやって署名と押印が済んだら、買主から売り主に対して手付金が支払われます。手付金の金額ですが、物件価格の10%ぐらいが一般的です。
住宅ローン特約に関する内容はこちらのページで詳しく解説しています。売買契約の締結時の特約がよく分からない人は、せひ一度チェックしてみて下さい。
住宅ローン特約や買換え特約など停止条件付契約に注意
決済と登記
買主が申し込んでいたローンが下りたら、残金の決済と物件の所有権移転登記を同時に行います。
この部分の作業は売り主と買主、それに不動産会社の担当者に加えて司法書士が同席して行うのが普通です。
それと決済代金の確認をするために、買主の取引銀行の一室を使って行うことが一般的です。この時に銀行の担当者が入金の確認をしてくれます。
入金の確認が取れたら司法書士が必要な書類を持って法務局へ行って、所有権移転の手続きをしてから登記簿謄本を持って戻って、買主に確認をしてもらうと終了というパターンが一般的です。
引き渡し
決済が終わると物件は買主のものになりますから、その場で引き渡しをすることが原則です。そのためには、決済の日に引き渡しができるように準備をしておかなくてはいけません。
でも、何らかの事情があって決済当日の引き渡しができない場合ですが、事前に買主の承諾を得ておかないとトラブルになってしまいますから、十分に注意してください。
売却時の注意点
家を売却するときには注意しなくてはいけないポイントが大きく6つあって、それは次の通りになります。それぞれの内容についてみていきます。
物件自体に関係すること
物件自体に関わる主な注意点は3点あります。
現況と登記内容の乖離
物件を登記した後に増築をしていたりすると、登記内容と現況には乖離が出てしまします。それと、土地の地積が異なっていると境界に差異が出ますから、トラブルの元になってしまうので、事前に公図を使ってしっかり境界を確認しておく必要があります。
建築基準法の関係
建築基準法によって建て替えができない土地や、建て替えができても大幅にセットバックをしなければならないこともありますから、しっかり確認をしておきましょう。セットバックとは建て替えで道幅を確保するために、家を後退させることを言います。
築年数が古い場合
築年数が古いと「そのままでは売れませんから、リフォームをしたほうがいいですよ」と、不動産業者にすすめられることもあります。
しかし買主がリフォームを望んで買いたいと思っているのか、それとも解体をして新築の家を建てるのかは分かりませんから、価格交渉の時にリフォーム代や解体費用の半分ぐらいを値引きすると喜んでもらえます。
この他にもローンが残っている場合には、完済をして抵当権を外しておいたほうがスムーズにいきます。
売却価格に関係すること
売却価格に関わる主な注意点は2点あります。
査定価格は実勢価格とは違う
査定して出てきた価格は、その地域で実際に取引をされている実勢価格とは違いますから、その価格で売りに出しても売れないことが多々あります。
不動産業者が出してくる査定価格は仲介を前提にしていますから、「売れそうな価格」だということを知っておきましょう。中には媒介契約を取りたいので、ちょっと高めの査定を出してくる業者もありますから、注意してください。つまり査定価格は「その価格で売却ができることを保証しているわけではない」、ということになります。
早く売ろうと思ったら高くは売れない
儲かるぐらい高値でしかも早く売れる物件は、よほどの人気物件だけです。普通の物件だと早く売るためにはやや安く、高く売るためには時間をかけてということが普通ですから、2つの条件を両立させることは非常に困難だと考えておくべきです。
売却に関係する諸経費
家の売却に関わる諸経費は5つあります。
仲介手数料
家の売買契約が成約をすると、仲介をしてくれた不動産業者に支払う代金が仲介手数料です。売却価格によって違いますが家の売買だと400万円を下回ることはありませんから税抜きの計算で、以下になります。
仲介手数料=売却価格×3%+6万円
税金
売却益が出ると譲渡所得税と住民税が課税されます。税率は物件所有年数によって違います。所有年数5年以内の短期所有と、5年を超える長期所有に分けられます。
短期所有の場合は売却益の30%が所得税、売却益の9%が住民税をして徴収されます。。長期所有の場合ですと、売却益の15%が所得税、5%が住民税になります。
登録免許税
登記の時に発生する税金で、普通は買主負担になります。売り主負担になるケースは、ローンの残債があって抵当権が設定されている場合と登記簿上の住所が現住所と違う時です。
費用は抵当権抹消も住所変更登記も1件1,000円ですが、自分では難しいため司法書士に頼むことが普通なのでその費用が10,000円以上かかります。
印紙代
不動産売買にかかる税金ですが、現金で納付するのではなく売買契約書に貼る印紙で納付しますから、印紙代といいます。印紙代の額は売却額によって違いますが、高くても数万円程度です。
その他の費用
物件は現状渡しだとしても、ハウスクリーニング程度はやっておくことが必要ですから、その費用は見込んでおいたほうが良いようです。
また、大幅なリノベーションをする場合もありますが、必ずしも物件価格に上乗せできないケースもありますから、このような場合にはその他の費用になります。
不動産業者に関係すること
前にも書きましたが、不動産業者の中には悪質な会社もあります。専任媒介契約や専属専任媒介契約をした場合、媒介契約を締結した不動産業者はレインズに登録をしなくてはいけないのですが、登録をしなかったり、登録をしても証明書が発行されたらすぐに登録を削除してしまうような業者もいますから、注意してください。
定期報告の時にしっかり報告書を見ながら話をすることと、レインズ登録証明書についている固有のIDを使って自分が依頼した物件が確かに登録されていることを確認することで、ある程度のことは分かりますから、実施してください。
売買契約後の注意点
売買規約後に売り主側から契約を破棄すると、ただ手付金を返還するだけではなく倍額を買主に支払わなくてはいけませんから注意してください。
それと前にも書きましたが買主がローン審査に落ちると、住宅ローン特約のような契約停止事項がありますから、契約自体が白紙に戻ります。売却代金を何かに充当しようとしていた場合、それが出来なくなりますから、実際に決済が終わるまでは売却代金を何かに充当させるようなことをしないように注意してください。
複数の不動産業者の査定額を比較する
家の売却が上手くいくのかどうかの大きなポイントは、不動産業者にかかっています。つまり信頼度が高くて力のある不動産業者に巡り合うことが、最大のポイントになります。
そこで一括査定サイトをつかって複数の不動産業者から査定を出してもらって、査定額を比較するのがおすすめです。査定額を比べてみて、査定額が高い上位数社の担当者に実際会ってみると良いと思います。納得がいけば、その会社と媒介契約を締結する流れで売却活動を進めるとよいでしょう。
初めて家を売却する人が多いと思うので、一括査定サイトを利用した事の無い人が多いと思います。一括査定サイトはスマホやパソコンで簡単な入力をするだけで、複数の不動産業者に査定依頼ができるので、非常に便利なサービスです。家を高く売るために、効率よく業者を比較するのにおすすめです。